さがしモノの旅 香川・小豆島編 その1
2ヵ月まえのある日。1本の電話がありました。
「こちら香川県 東京事務所のものですが、こんどお話をさせて頂きたいのですが」
デザイナーさんや業者さんからのお問い合わせはお店にありますが、行政の方からの
連絡は初めてです。予定を決めて僕達のお店で商談する事になりました。
内容は、「香川県の商品を知って頂き、広めて行きたい。katakanaは日本全国のモノ
を独自の視点で集めているので、ぜひ!」との事。
数週間後、サンプルを東京事務所にあつめてくれたとの事なので、お伺いさせて頂く
事に。場所は都道府県会館。勉強不足の僕は「知らないな~どこにあるんだろう」
勝手に各都道府県のアンテナショップが集まっているビルなのかな?と想像していま
した。Google Mapで何度調べても永田町の駅の真上にフラッグが立ちました。「ん?」
地上に出てみると、ド~ン!と立派な建物がそびえたっています。
突然緊張してきた僕を、なごやかな笑顔で担当の三田さんが出迎えてくれました。
サンプルを手に取り、色々とお話を進めていくうちに、僕が香川に行って実際にモノ
を見る流れになりはじめました。「で、河野さん、香川県にはいつ来れますか?」
こんな感じで、今回の「さがしモノの旅」は香川県に決定致しました。
実は日本全国ウロウロしていますが、四国はなぜか縁がなく今回が初四国です!。
※正確には香川県の直島は以前、岡山より上陸したことはあります。
今回も綿密な下調べをせず、先入観無しに香川県・高松空港に降り立ちました。
空港の到着ロビーを出ると「河野様」と書かれたプラカードを持っている男性が!
今回香川の本島をメインに紹介して頂く労働部経営支援課の溝渕さんと県産品振興課
の山田さんです。早速、香川県庁の車に乗り込み「さがしモノの旅」のスタートです。
香川県と言えば、katakanaでは丸亀うちわ!5×8プロジェクトの八木沼さんがデザ
インを担当して、職人さんと一緒に作り上げた「Ojigi」という毎年大人気のうちわが
一番に思い浮かびます。そして僕が密かに楽しみにしていた場所が、丸亀城!
車の中で河野が我儘を言って予定には入っていませんでしたが急遽向かって頂きました。
日本一の高さの石垣は60mにもなるそうです。石垣は四層の構造になっていて、三の
丸はなんと20mの高さになるそうです。土台部分は緩やかなカーブを描いて石垣が組
まれ、上の方にいくにつれて垂直になるように反りを持たせる「扇の勾配」と言われて
いるそうです。そして城門を過ぎてすぐの所にお土産屋があり、そこで「Ojigi」うちわ
を作っている職人さんが作製作業&実演販売をしているそうです。
これは是非ごあいさつをさせて頂かなくては!とワクワクして向かうと、本日休業日。
残念でした。せっかくお城まで来たのだから天守閣まで登りたいな~と思いましたが。
次の予定時間が迫っている様で今回は登城も断念しました、、
次に向かったのは「丸亀うちわの港ミュージアム」
丸亀うちわは、江戸時代、金毘羅大権現の住職が考案し、金毘羅参りのお土産として全国
に広がったと言う説が有力だそうです。今では全国のうちわの生産量の90%を占めるうち
わの日本一の産地です。
館内の奥に進むとうちわの骨の回廊です。
更に進むとショーケースに入ったマンガ家の楳図かずお氏の直筆うちわがドッサリ!
香川の観光名所を描いた作品。まことちゃんにドップリはまっていた僕は大興奮。
ここでとっても魅力的なうちわを見つけましたが、残念ながらこのミュージアムの売
店に納める数量しか作れないとの事でした。
そろそろお腹が減って来ました。うどん県で、初うどん!
うどんの話に花が咲きます。讃岐では江戸時代前期にはじめて「うどん屋」が出来ました。
しかし幕府によってうどんや素麺のの禁令が出されて、当時うどんは贅沢品とされていま
した。しかし讃岐の国の琴平は高い自治権をもっていて、規制を受けにくい地域だったそ
うです。雨が少なく日照時間が長い事から、小麦の栽培に適して、塩や醤油作りも盛んだ
ったこともあって、古くからうどん作りが続いているそうです。
県の溝渕さんが教えてくれました。「香川県の人は週に最低でも3.4回うどんを食べます
好きな人は朝ごはんにうどん屋で1杯、お昼に1杯、夜の鍋の〆に1杯」と言うつわもの
がゴロゴロいるそうです。ふと疑問に思いました「蕎麦って食べますか?」産品課の山田
さんは「年越し蕎麦に食べる位ですかね、、、」ちなみにうどん屋さんは数百件有るそうです
が、蕎麦屋は「5件あったかな~?」だそうです。これはうどんを愛すると言う事を通り越
えて、完全に空気の様な存在になっています。恐るべしうどん県!!
おすすめの牛肉ぶっかけうどん(小)です。たしか380円位だったかな?
美味い!口の中でプルンプルンしてシコッとコシがありスッと消えて行く。
おススメの小を頼んだので少ないかな?と思ってましたが出来上がって来た
のが、どう見ても東京では大盛りの量がある!食べきれるかな?の不安をよ
そに完食。しかし皆さん食べるのが早い、男性は勿論、女性も早い早い!東
京ではいつも一番に食べ終わる僕がビリ、、さっと食べてさっと出て行く、
讃岐の人の粋な面を感じました。
次は張り子の職人さんへ
虎は昔から勇猛果敢で、親子の愛情がふかく「柔」と「剛」を持ち合わせている動物と
言われています。その為香川県の多くの家庭では子供達が健康で健やかに育つ事を願っ
て、虎の張り子を飾るそうです。県の溝渕さんも山田さんの家にもあったそうです。
三豊市では3人の伝統工芸士の方が作っています。その中の1人田井民芸の伝統工芸士
田井艶子さんの工房に伺いました。
工房の入り口でちょうど張り子を乾かしていました。
かわいい、、、
これはちょっとこわい、、、
作り方を教えて頂きました。張り子の木型に和紙をでんぷん粉を使って何枚も何枚も重ね
て貼り付けていきます。ここで重要なのが和紙なのです。和紙はとても丈夫ででんぷん粉
を水に溶かして、力を入れてグイグイと引っ張りながら貼って行きますが、決して破れな
いそうです。和紙であれば何でも良いわけでは無く、田井さんは明治中期以前の古紙を使う
のだと言います。昔の和紙は腰が強く粘りが出るそうで、貼る前にゴシゴシと紙を揉んで
開いた時にピシッと皺が出ないそうです。古紙は何度も何度も人の手でもまれ柔らかく、
強くなっていくのだろうと優しい笑顔で教えてくれました。和紙で作った張り子の中身が
出来あがると、その上に胡粉(ゴフン)と膠(ニカワ)混ぜたものを塗っていき、上の写
真の白い張り子が出来上がります。完成品を持った時びっくりする位重かった!和紙をた
っぷり使っている事と胡粉をこってりと2回丁寧に塗っているからだそうです。
これが胡粉を塗る前の張り子 胡粉と膠を混ぜたモノ。たっぷり塗ります
これが明治時代の和紙の古紙、田井さんの代までの
古紙は確保してあるそうです。その後はどうなるか?
と教えてくれました。
完成!!なんともいいお顔でしょ。
思わずその場で発注してしまいました!上の2種類がお店に並びます。
天皇陛下もこの張り子をご覧になったそうです。
お隣は鶴太郎さん!この工房で絵付けをしたそうです。
柔らかい語り口で丁寧に教えて頂いた田井さん
ありがとうございました!
※この商品は【お土産マルシェ 香川・小豆島の産品展】で販売しています!
今日はここまで!続きを楽しみにしていてくださいね~
日本のカッコイイを集めたお土産屋さん
katakana 自由が丘店からのお知らせでした。