Katakana-日本のかっこいいを集めたお土産屋さん

iroseのお話

#作家さんのこと

現在開催中の「irose お財布とバッグ展」好評に伴い、「irose」のお話です。

6年前の開業準備中、お店に置くお財布を探していたとき。ある展示会で代表・河野が目を奪われたのが、紙材のような加工を施された革でできた、PAPERシリーズでした。

商品詳細 ⇒ 

思わず声をかけ、商談を進めるも、「『お土産屋さん』というコンセプトのお店に置くには少し高価なのではないか?」という懸念がありました。それでも、「どうしても!」という想いが強く、お店での取り扱いが実現しました。

その時の不安をもろともせず、iroseのアイテムは、katakana開店当時からずっと人気の商品です。
そんなiroseについて、私たちが知っていることを、改めて少しお話しします。

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「irose」は、高橋源さんと高橋大さん兄弟によるブランドです。

二人は同じ服飾の学校を出て、お兄さんの源さんは洋服の会社で、弟さんの大さんは鞄メーカーで、それぞれ働いていました。

その2つ歳の離れた兄弟が、20代半ばを過ぎた頃。
趣味で個人的にバッグを作っていた源さんが、それを仕事にしたいと考え、大さんに電話をかけました。
「一緒にやろう」
これがすべてのはじまりです。

誰かがデザインしたモノを作るのではなく、自分でイチからモノを作りたいと思っていた大さん。
「会社通勤がイヤになっちゃって、、」と冗談めかして話す源さん。

ブランドの設立は、ギラギラした想いというよりは、自分たちの「やりたいこと」と「やりたくないこと」に素直に従った選択によるもので、とても自然な流れだったそうです。
こうして2003年、レザーブランド 「i ro se」が誕生します。

いまでこそ「イロセといえば、お財布」というイメージが根強いですが、原点は、この「折り紙」バッグだったそうです。

一枚の四角い革を、風呂敷のように折り込むように、カタチが作られています。
これを見せてもらったとき、いまの雰囲気に比べてかなりエッジがきいてる…!と驚きました。

基になったのは、もともと源さんが個人的に布で作っていたバッグで、これの素材を革に変えて、しわ加工の革を取り入れたり、いろんな折り方でデザインをして作っていたそうです。
これが、のちにPAPERシリーズやSEAMLESSシリーズに発展していきます。

最初の2年くらいは、デザインだけでなく縫製も二人で行っていたそうですが、徐々に注文が増えてきたことで、縫製は下町の工場にお願いするように。

そのことで、それまでの「作りにくさ」を個性としたデザインから、「シンプルで、作りやすいから、美しい」という、構造美を意識したデザインに変えていったといいます。

SEAMLESSシリーズは、その象徴のひとつかもしれません。

「デザインしているのかどうかも分からないくらいシンプル」と源さんは笑いますが、お財布一つ分の革を裁断するのに、極力ロスが出ないよう計算してパターンを引いていると伺い、素材への誠意と、モノづくりへの真摯な姿勢が伺えたように感じます。

「i ro se」は新作の商品化に至るまで、何度も何度も試作を行います。
デザイナーさんの多くは、自分が作ったモノはすぐにでも世に送り出したいと考えますが、二人の場合は、どちらがデザインしたモノでも、二人ともが納得してから発表されます。
つい思い入れが先走ってしまうところを、お互いが良きストッパーになっているのです。

「バッグや財布は”使うモノ”だから、一度で完成度の高いモノが作れるはずがない」
ここ2年ほど、半年ごとに開いていた展示会をやめ、「新作ができたら展示会を開く」というスタイルに変えたそうです。
それはシーズン性や流行にとらわれず、また売り手側を意識しすぎず、「もっと自分たちのやりたいようにやろう」と考えたから。
それからです。ポンとはじけるように「i ro se」の人気がさらに広がったのは。

どんな物事であれ、嫌々やっているコトや、納得していないコトは、どんなに取り繕っても受け手には必ず伝わってしまいます。

でも「i ro se」の二人は、自分たちの「やりたいこと」と「やりたくないこと」を精査して、二人ともが納得して、純粋に「いい」「好きだ」と思えるモノを作っている。
だからこそ、彼らのアイテムを手に取った私たちもワクワクして、大好きになってしまうのだと思います。

ひとつ、言えることは「お財布のことをまったく知らない僕たちだから、既成概念がなく、まったく新しい面白いモノが作れると思う」とおっしゃっていました。
いまだにお財布のことが”わからない”。だから、どんどん新しいことにチャレンジできる、と。

この先の展望を伺うと、「まったくわからないですね。もしかしたら、お財布やバッグではないかもしれないし」とのお返事。
ふたりのワクワクが、静かなアトリエに充満していました。

>イロセのアイテムの詳細はこちらからご覧ください。
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