榊麻美植物研究所のイベントからのお知らせ。
こんにちは、スタッフの川口です。
自由が丘店では現在、「榊麻美植物研究所」さんの盆栽イベン
トを開催しています。
盆栽大好きな私は、新年早々かわいい子たちに心奪われる毎日。
出勤後、店内をぐるっとひと回りし商品整理しつつ接客しつつ、
気づくと盆栽エリアのお手入れを始めてしまいます。同じよう
に見入っている方を見つけると嬉しくなります。
実は私、短い期間ではありましたが前職は盆栽を本業にしてい
たため、この分野に関しては目がないのです。当時榊さんと出
会い、イベントに足を運んでは魅了されていました。
その彼女の作品が今、一堂に会しています。
榊さんの魅力はまず、鉢もオリジナルであること。
足や淵付きなどいかにも!な既製品の鉢に植わっている盆栽が
多いなか、彼女の優しい雰囲気そのままのモノトーンに統一さ
れた鉢に収まる盆栽たちは個性的ながらもかわいらしさもちゃ
んと主張し、洗練された仕立てになっていて、“モダン”一言で
くくってしまうには少々違和感があるくらい…素朴で実直な彼
女の人柄もよく表れている気がします。また、経年変化で生ま
れてくる鉢にこびりつくコケや汚れ。これもいい味となり作品
の一部になってしまうんです。あーかっこいい。
あとはなんといっても彼女の植物に対する姿勢です。
“「学ぶ」「綾なす」「贈る」「寿ぐ」「診る」の5つを軸に
植物に触れて共に暮らすことで、今よりもほんの少し日々の暮
らしが豊かになっていただけたら嬉しい”と。
でも、暮らしを豊かにって簡単にできるんでしょうか。そもそ
も豊かな暮らしってどんな暮らしでしょうか。
経済的成長? 戦争のない平和な世界? なんでも手に入る便
利な国? ラグジュアリーな空間で贅沢すること? たくさん
の友人を持つこと?
前職の仕事をしていたときによくお客様の口から聞いたお言葉
がコレです。
「枯れない盆栽ありますか?」
よくお話を聞くと、玄関先に大きなモミジの鉢植えを置き初夏
の緑と紅葉を楽しみ、葉が全部落ちてしまったので買い換えよ
うか迷っている、と。
“枯れること”と“落葉”は違うんだけど…。
最初は冗談を言っているのかと思ったくらい。返答に困りまし
た。“紅葉シーズン”“紅葉狩り”という言葉や文化はなんとなく
知っていても、その木がいつどんな姿になっているかご存じな
い方が特に都会には本当に本当に多い。静岡の田舎町で育って
本当によかったと思えた瞬間でした。
また、こんなお言葉もよく耳にしていました。
「すぐ枯れちゃうのよね~。」
そうですよね、生き物ですから。生まれては死んでゆきます。
だからこそ皆さん手元に置くには抵抗がある…怖いですよね、
よくわかります。インテリアにしたいけど“生き物”なんですよ
ね、枯らしてから気づくわけです。私も本職でありながらたく
さんたくさんダメにしてしまい、空鉢が山ほど転がっています
し、今でもうまくいかない子は数知れず、です。
でも、それでいいと思うんです、というのは前職師匠の受け売
りですが。本当にそれでいいと思うんです、ひとつでも原因を
考える瞬間さえあれば、何かひとつでも学習して自分の糧にで
きれば、これもひとつの命だったと気づくことさえできれば。
知りたいと思う気持ちに火をつけるのは、やはり失敗する経験
が必要不可欠だと思うのです。いろんな失敗を体験してこそ自
分が豊かになるのではないでしょうか。
前職師匠はよく言っていました。
“命の責任をとる練習を、まずは植物から。 愛があって枯れる
のと、ほったらかしで枯らすのとは大違いです。”
“君の失敗も、会社の財産である”
こちらは代表の河野がいつかのインスタグラムに挙げていた、
katakanaおなじみ日めくりカレンダーの一言です。そんな風
に思ってくれる上司のもとで仕事ができる幸せを感じたのと同
時に、日々の失敗も財産にできるようアンテナを張り巡らせ目
の前のことに集中しろよ、人生も同じだと言われているようで、
背筋がピっとなりました。
榊さんのイベントも残すところあと少し。
あの実がどんな姿で実るのか、どんな花を咲かすのか、枯れ木
に見える木は冬の間に何をしているのか…それを学ぶ場はたく
さん、本を読んでみてもいいし、榊さんに写真を送って相談し
てみてもいい。わからないならわからないなりに、恥ずかしが
らずいろいろ聞いてください。
榊さんと一緒にお待ちしております。
書き手 川口
榊麻美植物研究所さんの詳しいことはこちら →★
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katakana/カタカナ自由が丘店からのお知らせでした。
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