Katakana-日本のかっこいいを集めたお土産屋さん

さがしモノの旅 埼玉編①「ビスポークと田中帽子店」

#さがしモノの旅

こんにちは!さがしモノの旅に、今回初めてお供したWEB広報担当のわきたです。
冬の風が吹く肌寒い3月はじめ、ビスポークさんと田中帽子店の工場見学に行ってきました!

まず初めに…katakanaではお馴染みの田中帽子店はご存知の方も多いかと思うので、
ビスポークとはなんぞや?という方の為に、ビスポークさんをご紹介します!
ビスポークさんは、オリジナルブランドの商品を企画・販売するメーカーとして知られ、
機能的でユニークな商品企画で知られている会社です。
田中帽子店の帽子の良さをビスポークさんが発信し、販売しています。

自由が丘駅から電車を乗り降りして約1時間半。埼玉県の越谷市の「せんげん台駅」に着きました。
駅周りの落ち着いた雰囲気が、なんとも心地よく…なんだか、初めて来た!と感じがしない不思議な感覚。
お昼に食べた「ふしみ」さんのつるっつるっの手打ちそばは、格別美味しく(セットで頼んだ天丼も最高!)
一気に「せんげん台」のファンになってしまいました。

さて、お腹も満たされたところでビスポークさんに向かいます。

始めに、新作の帽子や売れ筋の帽子をご紹介いただきました!
今まで、katakanaでは展開していなかったラフィアの帽子も今年は店頭に並びます。
4月9日に更新予定のブログ「オススメの田中帽子店の帽子たち」にて、詳しくご紹介しますネ。

そして気になっていたビスポークさんと田中帽子店との繋がりのきっかけ、二者の関係とは…驚きのお話をお伺いしました。
もともとヨーロッパからの輸入を専門にしている商社に勤めていた社長の黒木さん。
時計、バッグ、革小物、洋服と帽子などファッション全般のさまざまなアイテムに携わるなか
「なぜ海外から輸入したパナマハットは売れるのに、地元の麦わら帽子は売れないのか・・・」と疑問を抱きます。
遠くからわざわざ輸入しなくても、いいものは近く(日本)にたくさんある!
日本のいいものをたくさんの人に知ってほしい、使ってほしい。そんな思いから30歳前に独立を決断。
まずは地元から!ということで、春日部市の伝統工芸品「麦わら帽子、桐ダンス、桐箱、羽子板・・・」
の中で黒木さんは、商社時代にも携わっていた帽子にフォーカスを当てます。

埼玉県東部に位置する春日部市、昔は古利根川の流域に広がる肥沃な土地で昔から米や麦の生産地でした。
特に麦の生産農家が多く、副産物である茎を利用した麦わら帽子を農閑期の副業として
たくさんの農家さんが麦わら帽子を作っていましたが、調べてみると残っているのはなんと「田中帽子店」を含むたった数件だけ!
そこで、すぐさま田中さんにコンタクトを取り、ついに初の対面が叶いました。
緊張感のある1時間ほどの話し合い。どうなったのかというと「まったく話が噛み合わず・・・」
黒木さんは、田中帽子店のこれからや、改善していくべきこと、田中さんに熱く、様々な提案をします。
が、田中さん側からすると、地元人ではあるとはいえ、初対面でこうしたほうがいいと言われても、
そうですね!と、そのままの意見を受け入れるのは簡単なことではありません。
しかしそこから黒木さんは、何度も何度も訪問を重ね、話し合い、「田中帽子店」の改革をしていきます。


※お写真は、いつもkatakanaとの窓口をしてくださっている中田さんです。

黒木さんがまず初めに提案したのが、情報の公開「田中帽子店」の存在を広める。ということ。
もともとアパレルの下請けのお仕事をメインにしていた田中帽子店は
ブランドとしての知名度はあまりありませんでした。
そこで黒木さんは、ホームページを立ち上げたり、日本最大級の展示会ギフトショーに出展されたりと
徐々に「田中帽子店」の存在を世の中に広めていきます。

次に黒木さんが提案されたことが、日本製部門の生産の活性化です。
黒木さんが田中帽子店とお仕事をされる前、
田中帽子店では日本製の部門を縮小し、中国生産の帽子をメインに手掛けていました。
昔から変わらない職人さんの手仕事の素晴らしさが詰まった“メイドインジャパン”の帽子が
田中帽子店の看板となり、良さをたくさんの人に知ってもらい、実際に手に取っていただくことが大切だと
黒木さんは考えたのです。

そして最後は、工場内の高齢化を脱却すべく、若い職人さんの採用を行います。
この話を聞いたときには、「え!ここまでする!?」と正直なところとても驚きましたが、
これは、「田中帽子店」を継いでいく未来の為にも必要なことでした。
黒木さんが、面接を重ね、「この子だ!」という方を田中さんにご紹介します。
しかし、即決にはならなかったそう。でもそりゃあそうです、何十年を掛けて一人前が認められる職人の世界では、
新人を入れるという事は、多大な労力と膨大な時間が必要になります。
でもそこで黒木さんは折れません。「この子に決まらなければ、うちの社員を派遣します!」と田中さんに押しの一言。
「そこまで言うんだったら…」となんとか採用が決まりました。
そこから、職人さんにとって働きやすい環境作りなどのフォローも続き、
この6年になんと3人もの新しい職人さんが誕生し、社長さんの息子さんを含め
現在は、4人の若い職人さんたちが田中帽子店の一角を支えています。

こうしたビスポークさんと田中帽子店の想像を超えた強い関係性。脱帽と感動でした。
一言では言い表すことが難しいですが、あえて言うならば、「同志」。ではないでしょうか。
100年以上も変わらない真っ直ぐな情熱を注ぐ田中帽子店の職人さんの強い思いの詰まった帽子を
ビスポークさんがたくさんの人に良さを伝え、多くの人のもとに届ける。
katakanaもその想いを受け取ったうちの一人です。
田中帽子店さんは、実店舗がありません。
なので、その二つの想いを私たちが直接お客様にブログや接客を通してお伝えしていきたいと思います。
日本のいいものをたくさんの人に知ってほしい、使ってほしい。
責任をもって伝えなきゃ。改めて、気が引き締まる思いになりました。

さがしモノの旅 埼玉編②「田中帽子店の工場見学」はコチラ→

【ブログ更新予告】
4.8更新予定「田中帽子店の工場見学編」
えっ帽子ってこうやって作るの?
知らないともったいない、帽子作りの考えられた工夫などなど、
盛りだくさんの内容になっています。

4.10更新予定「オススメの田中帽子店の帽子たち」
レディース、メンズ、キッズの帽子、合わせて約30種類以上の帽子が入荷予定です。
これだけ揃うと、どれにしたらいいか分からなくなりそう…
そんな方の為にスタッフが今年の夏オススメの帽子をご紹介します。

4.14更新予定「帽子の選び方、被り方」
帽子は普段被らない、帽子のオシャレな被り方が良く分からない方の為に
自分に似合う帽子を選ぶポイントやオススメのかぶり方をご紹介します。
お楽しみに!

田中帽子店の帽子の展開は、4月12日㈮からです。
オンラインショップからでもお買い求めいただけます.