Katakana-日本のかっこいいを集めたお土産屋さん

さがしモノの旅 和歌山 MUYA編

#さがしモノの旅

4月にカタカナのお店の近くに新しく作った店舗で、洋服のイベントをやることになりました。
「やることになりました」と言うと、受け身な感じにもとれますが、まったくの逆で、新しいお店で一番最初にやる洋服のイベントは「MUYA」が良いな」と決めていたのです。

「MUYA」との出合いは、2017年だったかな?目白でおこなわれるオシャレな展示会に訪れたときの事。ラック1本ほどの展示でしたが、表現したいことがグッと伝わってきました。そして、その場にいたのが撫養さん。やさしい語り口がとても印象に残ったのを覚えています。

肩ひじ張らないで自然な雰囲気な洋服だけど、なんとなく着る人を選んでいるような気がする。第一印象はこんな感じ。

すぐに、お店に置きたい気もするけれど、まだ少し早い気もしていて。
きっと撫養さんも一緒の考えで、数年におきに展示会で出会うと、世間話は気軽にするのだけど、あと一歩がお互いなかなか進まないのでした。

そして、とうとう!katakana Shinという新しく店舗をOPENするときに、僕は自信をもって撫養さんに「MUYAの洋服を僕に紹介させてください」と頼みました。
「おぉ!ぜひやりましょう。」

その後はトントン拍子で進むかと思いきや、そうは簡単に行きませんでした。
撫養さんはまだ何かが引っ掛かっている、、

そんな時はあせっても良い事なんて一つもありません。
そこから撫養さんと僕の、自由が丘と和歌山をメールで結ぶやり取りがスタートしたのです。

とうとう、日程も決まり、おおよその展開する洋服も決まりました。
そこで僕が思ったことは、「やっぱり、作り手の場所を見てみたい!」

イベントまで1ヶ月少しでしたが、撫養さんたちのいる和歌山県の南の先、南紀白浜に向かいました。

全国を飛びまわる河野ですが、実は「初!和歌山」なのです。
南紀白浜と言うと、南国のリゾートってイメージですがどんなところなのかワクワクします。
富士山がきれいに見えたら、良い出会いが待っているおまじない。

南紀白浜空港でレンタカーを借りて、MUYAさんに向かいます。
「んん?カーナビの表示あってる?」ってくらい。空港からMUYAさんの場所が近いのでビックリ!10分ほど走り、山を一つ越えると海がドーンと見えてきました。
街道沿いには、大きな観光ホテルや、温泉旅館が並びます。
紀伊半島の南の先はヤシの木が街路樹になっている、すこし懐かしい雰囲気のリゾート地でした。
でも、訪れたのは3月初旬。最高気温9℃、風の強い寒い日だったので、ひっそりとした町のムード。

細い路地を進んでいくと、見えてきたのがMUYAの建物。
「どれ?」
そうそう、僕もおっかなビックリ、スマホの地図を見ながら坂道を上がります。

勇気を出さないと入れない重厚感のある建物。
アポイントが無かったら「うん、、今度にしよう、、」と尻込みをしていたかも?

看板も良い感じ。
そしてOPENの文字が「入っていいよ」と言っているようで心強い。

出迎えてくれたのが撫養さんご夫妻。
ここがMUYAの本拠地。

「4階建ての古い白浜信用農協の建物を、
当時の面影を残しながら修繕し、衣食住にまつわる小さな複合施設です。」

外から見る重厚感とはガラッと変わって、吹きふけの喫茶スペースが!
もうすでに、このギャップに飲み込まれた感じもありますが、撫養さんとイベントの打合せが美味しいコーヒーをいただきながら始まりました。

MUYAさんは、前職でアパレル会社に勤め、企画や生産管理、営業などをいろいろと経験し、生まれ故郷の和歌山県白浜町で起業しました。

スタートは2014年。いまから10年前の事。
実家の倉庫で自身の苗字をブランド名に掲げ、自分に嘘のないようにと、服づくりを始めたそうです。
最初に撫養さんと展示会であったのは、スタートして2,3年の頃だったのだと知りました。

その数年後「ホテル作っているのです」と聞いた時にはとてもビックリ!
ブランドが大ブレイクして儲かっているのかな?って思いましたが、彼の顔を見ると、そんな余裕には見えません(ゴメン!)でも、良い笑顔で「大変です!」と言われるとこちらも思わず笑顔に。

自分の名前をブランドに
服づくりにおいて大切にしていることは、
「何にも属さない水のようなもの。着る人のスタイルで変化し姿や表情を変えるもの」
をコンセプトに、簡素で簡潔で平凡であることです。」
と、撫養さんは教えてくれました。
「水のようなもの」
珈琲でもなく、ジュースでもない。でもそれらは水がないと生まれない。
水を純粋に欲しい人もいるし、水を変化させたい人もいる。
それを全部ひっくるめてMUYAの服は「水のようなもの」なのかもしれない。

さっそく妻は洋服を、1点1点じっくりと見始めました。
「ユニセックスであり、匿名性があり、ブランド名がわからないもの。」
MUYAのこだわりが伝わってくるラインナップが続きます。

シンプルだけど、どこかが違う。
それは、素材の手触りだったり、パターンのとり方だったり。

サッとはおってサマになる。
ファッションは流行を追うのも楽しいけれど、
この服は何にあわせても、自分らしくなれて、
今の空気を感じられるはずです。

良い洋服を見る妻は本当に楽しそう。

2階の衣類フロアと1階を行き来して撫養さんに確認!

1階の喫茶

この日は京都の日用品店LADERさんの展示をしていました。
「この土地に根をおき活動する人やモノ、和歌山に縁のある方を
中心に簡易な飲み物や食べ物を提供しています。」

灯油のストーブは、そこに存在するだけで温かくなる。
アラジンでないところもニヤッとします。これはトヨトミかな?
琺瑯の白いポットも良い感じ。

館内を案内してもらいました。
3階のホテルへ

階段を上がると、ガラスの扉の向こうが部屋になっています。
リノベーションは最低限にして、もともとのビルの良さに、スパイスを加えたさじ加減が、とても心地いいセンスのある空間です。

3F 宿泊施設
「旅の入り口や出発地点となるような最低限の設備を整えた、
1日1組の簡素な宿を運営しています。」

今度はここに泊まりたいなぁ。
読みたかった本を何冊か持って、部屋で読んで、あきたらお散歩。

何か良いアイデアが浮かんできそうです。

4階のギャラリーへ

不定期で展示をしているのだとか。
うん!ここも良い空間です。

暗さと明るさのバランスが、とても素敵な建物です。

気持ちをドキドキワクワクさせて、
光を見つけてホッとする。

あぁ!いいなぁ。。

「食べる、着る、泊まる、が本来の目的ではなく、
”のようなもの”を感じれる
何かの始まりや気づきになるような場所を目指しています。」

なるほど!この町にMUYAがある。
長く続いている土地の歴史に、新しい楔が打たれたのだと感じる場所です。

そして、妻は案の定。
その場で、MUYAの服を数枚お買い物。

買ったら、すぐ着る!

代表作のジャケットとコートを出張中もさっそく着ていましたよ!
南紀白浜の名所「千畳敷」ぜったい行った方が良い不思議なスポット。
和歌山の次の日は、京都で展示会があったので「さがしモノの旅:京都」も、MUYAのコートが大活躍。

MUYAがkatakanaにやってくる!

ぜひ、撫養さんたちの作る洋服を見に来てください。
きっとステキなモノが見つかると思いますよ。

「さがしモノの旅 和歌山 MUYA編」でした。

 

(イベントは2024年4月に開催いたしました。)