ぼくとモンペ
ぼくとモンペ
「ぼくの柄モノ嫌いが変わった理由は?」
それは久留米絣に秘密があったのです。
ぼくはいつも洋服はほとんど無地で、柄モノを着ることはありません。
クローゼットを開けると、白とグレーと黒。そしてときどきベージュがあるくらい。
だいたい一年中こんな感じです。
このことは妻もおなじで、夫婦でいつも同じような格好をしています。
でもね、うなぎの寝床が作る久留米絣のモンペをみると、不思議なことに柄モノが着たくなるのです。
いつもだったら真っ先に無地のモンペを選ぶのですが、とにかく柄が気になる。。
なぜかと考えてみたら、柄の出しかたに秘密があるのだと分かりました。
柄モノの洋服で模様を表現する方法で一番身近なのがプリントです。
アロハシャツとか幾何学模様などの素材のほとんどは、生地の段階でプリント加工をされて縫製されます。
久留米絣は何が違うかというと、この柄の出し方が独特なのです。
そもそも「絣・かすり」って何?
まんが日本むかしばなしのお婆さんが着ているイメージがあるのですが、、
とっても大雑把にいうと、柄をつくる技法のひとつなのだそう。
どのように柄を作るかというと「糸を縛る(くくる)」ことです。織る前の段階の糸を縛り、染めます。それをほどいて白く残ったところが柄になる。
この糸で織って布にする事で、かすれたような模様になることから絣(かすり)と言われるようになったのだとか、、
この技法で作られた織物が久留米絣で、柄がパキッとした感じではなく、良い意味でのボヤッと感。生地の柄にゆらぎがあるのです。
このゆらぎが、どのような柄でも「あれっ?」って感じでスタイリングが決まるのです。
最初は地味目な柄を選んでいましたが、大きく大胆な柄も欲しくなる。
無地好きの僕が、柄に目覚めた瞬間です。
今年は何本コレクションを増やそうかと、売り場でたのしく悩んでいます。
次回は「なんでこんなに着てきもちがいいの?」
って事をお話ししたいと思います。