さがしモノの旅「JOURNEY」
さがしモノの旅「JOURNEY」
いまから5年ほど前にカタカナで開催した「小さな財布展」という、お店の大人気企画で出会ったのが、このブランドとの出会いでした。
埼玉県の工房でひとつひとつ手作業でモノ作りをしています。
当初はイベントのみの展開でしたが、あまりに人気のため、今ではジャーニーのCI財布はお店の定番品になりました。
でも、定番だからっていつ来てもあるわけではありません。
売切れたら数か月待ち。
僕たちも大好きなJOURNEYですが、ふと思い返すと、作り手のもとを訪れていなかったことに気がつきました。
夏の残暑が残る9月。工房に向かいました。
JOURNEYのある場所は、埼玉県川口市石神という場所で、川口市北部の大宮台地上に位置する起伏がある地域で、植木や苗木などの生産地であるらしい。大きな幹線道路を1本入り街道を走ると、両脇にはいろいろな植木が手入れされた植木屋さんらしい日本家屋がならびます。
到着したのがコチラ。
「SENKIYA SHINMACHI」
埼玉県川口市にある「新町」と呼ばれる地域。
この場所は元々、城の建設に伴い人々が集まり、「新町」と呼ばれるようになりました。地域の持つ歴史に自分たちの姿を重ね、この場所を「SENKIYA SHINMACHI」と名付けました。
ここには、いくつかのお店が集まっています。
•JOURNEY 革製品の工房兼店舗
•senkiya カフェ、隣には古本・CD
•senkiyaしかくい 雑貨
•センキヤ菓子店 焼き菓子
•iiet bagel ベーグル
•てがみと文字Fluke 紙小物
•yamanami 山と日々の生活をつなぐお店
•SILVER REST フォルクスワーゲンの修理
植木屋さんだった敷地内に、個性的ながら、どこか雰囲気の似たお店が8店舗。
※今もこの土地の大家さんは「千木屋」さんと言う植木屋さん。
その中の1軒が今日の目的地です。(地図J)
雰囲気のある建物の扉を開けると、そこにはJOURNEYの世界が広がっていました。
デザイナーであり代表の草薙さんにモノ作りの事を聞きました。
草薙さんは革の学校で学んだわけでも、修行したわけでも無いそうです。
短期間、革の工房にお手伝いをしたことがある程度で、革モノ作りは独学なのだとか。
自分でインテリア雑貨のお店をやりたい!という思いはあったものの、夢のように思っていたそうです。そんな草薙さんがレザーアイテムに入るきっかけが、なんと、東急ハンズの革コーナー。当時のハンズは資材などがとても豊富で、革を買って自宅で革小物を作り出しました。
キーケースやカメラストラップやペンケース。
作り始めた当初はシンプルなモノが多かったそうです。作ったモノを自分で使ってためして、さらに良いモノを作っていく。その事を繰り返していくうちにどんどんと技術が身についてきたのだとか。
素材を生かすつくり方
「時間と共に愛着がわいていく」
そんなモノ作りを目指すJOURNEYはさまざまなこだわりがあります。
その一つに「手縫い」があげられます。長く使う事で手になじんでいくレザー製品ですが、愛着をもって使ってもらうには、耐久性が必要です。
馬具を縫う丈夫な「サドルステッチ」製法で一針一針縫っていきます。
革と糸のテンションの具合を感じながら作っていくモノたちは、ミシンで大量生産されるものよりも丈夫な仕上がりになるのです。
考え抜かれた独特のカタチ
JOURNEYの財布は、使い始めるとじわじわと良さが伝わってきます。
小銭入れの開く角度、カードのマチの絶妙な厚さ。お札の出し入れは、手にストレスを感じさせないスムーズさ。
その秘密は、考えぬかれた型紙にあるのです。なるべく縫う箇所をすくなくし、重なり合う部分をスッキリさせる。このことが他のブランドとの違いを生み出しているのです。
革のこだわり
長く愛着をもって使いつづけるには、革のクオリティがとても大事です。
JOURNEYではすべてイタリアの革をつかいます。
バケッタレザーという、ベジタブルタンニンなめしをした、化学薬品を使用せず、文字通り植物の渋(タンニン)で加工されています。
そして、バケッタレザーの中でも伝統的な技術を復活させた、さらにこだわった革をセレクトしています。
工房にたくさん保管されている革たち
光が当たることで変化する、ベジタブルタンニンなめしの革は、紙に丁寧にくるまれて、出番が来るのをじっと待っています。
バッグも魅力的
大きなバッグも作りますが、今回のイベントでは、小さいサイズを中心に製作してもらいました。
いぜんも紹介したミニバッグは、あっという間に完売した人気商品。
新作は型紙で
新作のバッグを企画していました。
最初から革を使ってサンプルを作るのではなく、型紙をつかって頭の中のイメージをカタチに変えていく作業です。
JOURNEYの革は、使うごとに味がでる経年変化がすばらしいものばかりです。
たっぷりとオイルが入っている革なので、特にメンテナンスは不要です。
使い始めは乾いた質感の和紙みたいですが、数か月使うと美しい艶が勝手に生まれてくるのです。
革の育てる楽しさを、たっぷりと味わえるモノたちなのです。
箱入りになったお財布たち。
以前は巾着に入っていた財布たちですが、特製の箱に入ります。
この箱もJOURNEYの草薙さん達が一つ一つ組み立てて、完成したお財布を丁寧に箱詰めしているのです。
細かい事ですが、こんな小さなことに愛がたっぷり注がれているのがわかります。
整理整頓されている道具たち。
道具マニアの僕は、作り手を訪れると、ついつい道具箱が気になってしまうのです。
ペンやクリップなどを見ると、何を大切にしているのかが分かります。
一つ一つの作品に思いが
すべての工程を草薙さん達がおこなうため、革のセレクト、デザイン、縫い方などなど、すべてにこだわりがつまっています。
商品を手に取るごとに、モノ作りのストーリーが聞けるので、あっという間に時間が過ぎていき、とっても楽しい時間が流れていきます。
ハチドリマークってなに?
JOURNEYのトレードマークになっている「ハチドリ」
じつはこのアイコンに彼らの想いが込められていました。
「ハチドリのひとしずく」という話に由来をしているそうです。
火事が起きた森で、小さなくちばしで少しずつ水を運ぶクリキンディというハチドリ。
大きな問題が起こった際、それぞれがどう向き合い行動するのか?
この施設「SHINKIYA SHINMACHI」を紹介して頂きました。
どのお店も、スタイルがキチンとあって、背筋がピンとしているのにリラックスしている。あぁ、こんな場所が近くにあればまちがいなく通ってしまう。
ゆっくり訪ねたい場所がまた一つ増えました。
新年を新しい財布やバッグで迎えませんか。
JOURNEY展
日時 2025年1月3日~1月16日
場所 カタカナ自由が丘店
「時間と共に愛着がわいていく」
そんなモノ作りをしているJOURNEY/ジャーニー。
手縫いにこだわる理由は、
使い込まれたアンティークや古道具に惹かれるように、
使い込んで味がでた姿を見たいから。
長く使って欲しいから、デザインはとてもシンプルです。
でも、シンプルな中にも作り手のアイデアがつまっているので、
使いこむごとにドンドン心地よくなっていく。
お気に入りのモノを愛着をもって使う時、
日々の生活はもっと美しく、そして楽しくなりそうです。