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引き算のデザインから生まれる、大人の女性に寄り添うバレエシューズ〈SUI〉

#カタカナのつくり手とはこび手

シンプルで、心地がよい。すっきりとしたバレエシューズ「SUI」。
"女性の脚を綺麗に見せる"をコンセプトに、
見た目の美しさと機能性を兼ね備えたデザインが魅力です。
2025年春、学芸大学へ移転したばかりのアトリエにて、
デザイナーの清水さんにお話を伺いました。
ものづくりへの想い、靴へのこだわり、そしてこれからのこと。
ぜひ最後までお付き合いください。


―まずはじめに、ものづくりに興味を持ったきっかけを教えてください。

清水:高校卒業後、カナダに留学したのですが、現地で庭師として働いたことが大きな転機になりました。

 

―カナダで庭師とは、珍しい経験ですね。

清水:そうなんです。広大な敷地が多く、庭園のような庭がある家も多くて。
庭は、持ち主が亡くなった後も手入れを続けることで、かたちを残し続けられます。
その経験から「時間が経っても”かたち”に残るものをつくりたい」と思うようになりました。

 

―靴づくりを始めたのはどんなきっかけだったのですか?

清水:昔からファッションが好きで、靴にも自然と興味を持っていました。
周りに洋服をつくる友人が多かったんです。
だから「自分は違うアプローチをしたい」と思い、靴の道を志しました。

帰国後、神戸のハンドメイドの婦人靴ブランドで2年半ほど修行しました。
その後、量産の靴の仕組みも学びたくて、埼玉にあるシューズブランドへ。
そこではデザインから営業まで幅広く関わり、4年間の中でいろいろと学ばせてもらいました。

―いろいろな経験をされてSUIをはじめられたのですね。
SUIを立ち上げたきっかけはあるんですか。

清水:「いつかは自分のブランドを持ちたい」という想いがあり、
仕事の傍ら少しずつ準備をしていました。
ハンドメイド靴も量産の靴もどちらも経験したからこそ、
両方のよさを活かした靴をつくれるのではないかと。
26歳のときに「今がそのタイミングだ」と思い、SUIを立ち上げました。

 

―そうだったんですね。なぜバレエシューズブランドにしたんですか?

清水:神戸のブランド時代にバレエシューズに触れていた影響もありますが、
一番の理由はOEMとして他社ブランドの靴を手がけている中で、
装飾が多い「足し算のデザイン」が多かったことです。
だからこそ、自分のブランドでは“引き算”を意識した
シンプルな靴づくりに挑戦したいと思いました。

―たしかに、SUIはシンプルで曲線が美しいデザインですよね。

清水:「女性の脚を綺麗に見せる」をコンセプトにしているんです。
見た目だけでなく、機能性も兼ね備えたデザインを心がけています。
たとえば「V BALLET」は、通常であれば芯材などで形を保ちますが、
SUIではカッティングだけで成り立たせています。
甲を包む部分を一般的な靴より約7mm高くすることで、
脱げにくく、脚をすっきり見せているんです。

―その少しの高さが、肌の露出を抑えて上品さにつながるんですね。

清水:とくにつま先のやわらかなフォルムは、
最終的な組み上げ作業をすべてハンドメイドで行うことで実現しています。
革は生き物なので、気温や湿度によって表情が変わるもの。
個体差を見ながら、一足一足丁寧に仕上げています。

―すべてハンドメイドなんですか?

清水:たくさんの方の手に届いてほしいので、
ハンドメイドと量産を組み合わせながら制作しています。
革の裁断やソールなどは信頼するパートナー会社にお願いし、
それぞれのパーツを組み上げて靴にする作業は自分の手で行っています。

―どちらも経験していたからこそできることですね。他のモデルはどんなこだわりがあるんですか?

清水:「LACE UP BALLET」は、トゥシューズを意識し、
つま先をスクエア型にしています。シューレスがアクセントになっているのですが、
甘くなりすぎないように同じ革の素材でつくっています。

―だから可愛らしさもあるけど、品があるんですね。

清水:ありがとうございます。
新しいモデルの「MIDI BALLET」は中間=ちょうど良さをテーマに制作したものです。
バレエシューズであり、革靴でもあり、
ショートブーツでもある中間のサイズ感を目指しました。

 

―他にはないオリジナルの形になっているんですね。
かかとのタグが良いアクセントになっていますよね。

清水:「引っ張り」と呼ばれる部分です。
MIDI BALLETは他のモデルよりも履き口が狭めなので、
靴べらなしでも履けるようデザインしています。
もちろん、デザイン上のアクセントとしても気に入っています。

―まさに見た目と機能性どちらも兼ね備わったデザインですね。
SUIは、どのモデルも履いた瞬間からやさしいですよね。

清水:靴のフォルムもそうですが、履き心地の「やわらかさ」も大切にしています。
使用しているのはゴートやシープといったやわらかくて軽い革なんです。
足を包み込むような軽さとフィット感があり、履くほどに足になじんでいきます。

―なるほど。他の靴では感じないような包み込まれるような履き心地なんですね。
それから、SUIはカラーも魅力ですよね。

清水:ありがとうございます。
「日常に寄り添う靴」でありたいと思っています。
毎日を彩るお気に入りの一足になってほしいという想いから、
カラーバリエーションは多めに用意しています。

清水:どのカラーも、素足になじむような微妙なニュアンスを大切にしています。
例えば、ホワイトはほんのり生成り寄りに。
靴下と合わせるのはもちろん、素足で履いたときにも、
脚が綺麗に見えるようにと考えています。

―カラーもコンセプトにつながっているんですね。どのカラーも素敵で、つい悩んでしまいそうです。
最後に、これからやってみたいことはありますか?

 

清水:少し前に学芸大学にアトリエを構えたので、
ギャラリーとしての活動も少しずつ広げていきたいです。
展示や販売だけでなく、SUIの世界観を感じられる場所にしていけたら。

漠然としているのですが…
「1年ごとにテーマを決めたコレクション」もやってみたいと思っています。
たとえば、国産の鹿革を使ったバレエシューズとか。
テーマを軸に全国を巡る受注会なども、いつか実現させたいです。

 

―SUIの新たなチャレンジも楽しみです。ありがとうございました!

 

清水さんの語るSUIの靴には、“シンプルだけど強い想い”が込められていました。
「見た目も、機能も、どちらも大切にしたい」——
そんな清水さんのまっすぐな姿勢が、そのまま靴に表れています。

「夢中になっていると、大変なことも忘れちゃうんです」
と話す清水さんの笑顔が印象的で、
その前向きさと丁寧なものづくりが、
履いた瞬間のやさしさや美しさにつながっているのだと思います。

みなさんの毎日に寄り添ってくれる、お気に入りの一足にきっと出会えるはずです。
ぜひ店頭で試着したり、オンラインサイトを見てみたりしてください。
またSUIの最新情報を知りたい方は、インスタグラムをぜひご覧ください。
SUI:https://www.instagram.com/sui_lab/

 


「SUI limited store」

【カタカナ自由が丘店】
日時:2025年5月9日(金)-5月22日(木)|11:00-19:00|【会期内/火曜店休】

【オンラインストア・キナリノモール店】
日時:2025年5月17日(土)-5月30日(金)

 

神戸の手作り靴のアトリエで修業し
埼玉の量産靴メーカーで経験を積んだ、 SUI の清水さん。

彼が生み出すのは、「引き算みたいな靴」。
さまざまな靴を作り、 見てきたからこそ、たどり着いた想いがあります。

「ずっと、 同じものを作りたい
何年後でも、同じ靴が買えるブランドでありたい。」

シンプルで、心地よい。
すっきりとしたバレエシューズ「SUI」。
カタカナで、はじめてご紹介します。


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