カタカナ河野の気になる街とモノとコト vol.11 栃木「SHOZO CAFE」
カタカナ河野の気になる街とモノとコト vol.11 栃木「SHOZO CAFE」
SHOZO CAFEさんの存在は以前から知っていました。
以前といってもカタカナをOPENしてからなので、7年くらいの話です。
栃木県の那須の方でおしゃれなカフェをやっている。
正直、それだけだったら記憶に残らなかったと思うのですが、そのお店を
拠点にして、いろいろな業態のお店を運営されているとのこと。
「ある日、地元に帰ったとき、数駅隣の那須駅は観光客で賑わっているの
に、地元の駅は寂しく商店街は廃れはじめていて、自分がお店を始めて賑
わいを取り戻そうと思った」。
こんな記事を何かで読みました。こんな事例も実はよくある話。
ですが、なぜかこのお店には行かなければいけない何かがあると感じてい
ました。ずっと行ってみたいと思っていましたが、東京から近そうで遠い。
なかなか行く機会がありません。ところが今年3月の2週目、栃木出張の
予定ができ、念願叶いSHOZO CAFEさんに伺うことができたのです。
お店のある黒磯に着くと、商店街と呼ぶにはあまりにも普通な道沿いに店
舗が何軒か見えてきて、「目的地周辺に到着しました」とカーナビが教え
てくれました。
期待値を上げ過ぎないように自分でセーブしながら訪れたSHOZO CAFE
は、僕の想像を超えていました。
まず、1階の物販コーナーの清潔感とスタッフの方の笑顔にグラッときて。
2階のカフェに上がると5名以上いるスタッフの方に再び満点の笑顔で挨
拶をされる。ここまですべての笑顔が素晴らしい店はなかなかありません。
もちろんマニュアル感はまったくなし。
案内されて席に座ると「あぁ、、、、なるほど」と思いました。
僕の求めていたモノが目の前にひろがっていたのです。もちろんここはカ
フェなので、雑貨店のように商品が置いてあるわけではありません。でも、
僕の目指すべき空気感がここにはありました。お客さまがお茶や食事をし
て会話して、リラックスしながらも素直になっていく。うまく言えません
が、どんどん自分がキレイに浄化されていく感じ。
インテリアのプロが手掛けた空間は、計算されているはずなのにそれを感
じさせない。古いテーブルやイスを使っているけれど、とても清潔感があ
る。「拭く心から磨く心へ」―以前勤めていた会社の掃除に対する心構え
を思い出しました。
長い間変わっていないようで変化しているのであろう、懐かしくも古さを
感じない店づくり。いい空間を作り続けることの大切さを学びました。
そして、この「店」という器をさらにいい空間にしているのが、スタッフ
の方達。挨拶、接客、歩き方、すべてにスタッフの方の想いを感じました。
仕事の目線を一人一人が日々高くしないと、この空気感は作れません。
これは個人の努力も必要ですが、大切なのは会社の思想がきちんとみんな
に伝わっていて、共感されているかということ。
「自分たちはどのようなお店でありたいか?」
オーナーの菊地省三さんにはお会いできませんでしたが、オーナーが不在
のときにこそ、その店の実力が表れるのかもしれません。
「近所の人は、雨の日に本をもってSHOZO CAFEに行くんです」と知人
が教えてくれました。地域に愛され、旅の目的地にもなる。
お店は人の流れを変えることができる。
そのためにお店は毎日手を抜かずに営業し、「あぁ、ここに来てよかった」
と思っていただく。そしてお店の未来を常に考えて動き、「また来よう!」
と思ってもらえるようにタネを蒔いていかなくてはいけない。
このお店のためにその街にいきたいと思うお店です。
今度はみんなを連れてお伺いします。
大きなヒントを頂きました。ありがとうございました。
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