探しモノの旅 【九州編】その1
探しモノの旅に出かけて来ました。今回は九州!
早朝の羽田空港に着き、出発までの時間をウロウロと空港内を散策しました。
ふと気がつくとアッという間に時間経ってしまい、
焦って搭乗口に向かいます。空港は僕の大好きな場所。ガヤガヤと賑やかな
搭乗カウンター、何度通っても緊張する手荷物検査、そこを抜けると空気が
少し変わります。無事チェックイン出来た安堵感と、旅先への思いが一気に
高まり、自然とテンションが上がりワクワク感がMAXまで上がります。
今回の旅も「ザクッ」とした計画だけをたてて、気の向くままに自分の勘を頼
ろうと思います。
おぉ!政府専用機に遭遇!初めて実物を見ました。
予備機まで登場して離陸前から興奮!!
野田首相がサミットから帰国したとの事。
【鹿児島編】
鹿児島に到着しました。
朝9時の鹿児島は思っていたよりも、暑くありませんでしたが、かすかな湿度と椰子
の木に南国に来た気分になりました。
鹿児島の中心地、天文館へ。
この土地では行きたいお店が2軒あります。ランドスケープの中原さんが携わるお店
「GOOD NEIGHBORS」このお店は3年程前のアパレル業界で働いていた時の出張
でチラッと前を通りかかり、気になりながらも時間が無く通り過ぎてしまったお店でし
た。しかし、今日は店休日。残念です。
もう一軒が「マルヤガーデンズ」この建物の場所は地元の老舗百貨店丸屋が1922年か
ら営業をしていましたが、1983年に三越と資本提携して三越鹿児島店として営業して
いました。そして2009年三越撤退。その後リノベーションを丸屋がおこない「maruy
a gardens」として生まれ変わった商業施設です。
大きさは百貨店としては小ぶりな大きさで、ファッションビルとしては手頃なサイズ
感だと思いました。
【マルヤガーデンズ】
この建物をプロデュースした1人がD&D DEPARTMENTのナガオカさん。
4階にはD&D鹿児島店が入店しています。
自由が丘店のご近所の東京店と品物はほぼ同じですが、空気感がちょっぴり違います。
このちょっぴり違うと言う事がとても心地よく、勉強になりました。
ここで本を数冊買って、店員さんに「この近くで美味しいモーニングが食べられるお店
はありますか?」と質問。あそこが良い、ここも良い!とワイワイ議論して頂いた結果
教えて頂いたのがここ「BULE LHGT’S COFFEE」
最近旅に出るとモーニング巡りが癖になって来ました。
とっても良いお店を紹介して頂きました。ありがとうございます。
その後駆け足で市内の気になるお店を数店舗訪れました。
どの店も良いセレクトと拘り感でまたしてもお勉強!
気がつくともう3時!
鹿児島でどうしても行きたい場所に向かわなくては!
しょうぶ学園です。ここは障害者の施設だと言う事は何かの本か雑誌で読んでうっすらと
記憶に、、、
出張前に九州出身の五八プロジェクトの五島さんに、「鹿児島に行きます!」と言うと
「しょうぶ学園に行くの?」と言われ、これは絶対に行かなくては!と心に決めていたの
でした。
レンタカーを借りて目的地へ向かいます。
市内から30~40分走った山の中腹にこの施設がありました。勢いだけで来てしまいまし
たが、何の連絡もしていない僕がこの様な施設を見る事が出来るのだろうか?と駐車場
に車を止めて、ふと不安になりましたが、恐る恐る(すみません)学園内に入りました。
はじめて訪れる障害者の施設は、僕の想像とはまったく違い、明るく開放的で山の中の
リゾート地にあるホテルに来たのかと思うくらいでした。
まず目に飛び込んできたのがパン屋さん。そしてその店の看板。時を忘れて読んでしま
いました。さらに先に進むと小道の両側に工房が点在しています。
入口から覗きこむと5,6人の生徒さんが陶芸をしていました。とっても真剣な顔で土に
向かっている人、楽しそうに歌を歌いながら色を塗っている人、土を黙々とこねている
人。その人なりのスタイルで陶芸をしている様にみえました。
さらに先へ進みます。道が開けて小さな芝生の広場が広がります。その広場に面して一
般公開されている展示スペースがあったので中へ。
受付のような小窓があり若い男性がパソコンを見ながら作業をしていました。
「こんにちは~。中を見ても良いですか?」とたずねると
「どうぞ、どうぞ!」と人懐っこい笑顔で対応してくれました。
展示スペースの隣に作品を販売しているスペースがあり、じっくりと見てまわると、ある
カレンダーの前で釘づけになりました。クスッと微笑みがこぼれてしまうような動物の絵
の脇に7月10日(金)はれ 100点と書かれています。
「ん?」と思い、次の月をめくると魚の絵が描かれていて8月12日(水)はれ100点。
思わず先程の男性に「このカレンダーの絵はここの施設の人が描いているのですか?」
その男性は「ですです!ここのスペースはすべてここの施設の方達が製作したモノを販売
しているのです」僕はこの男性に興味が湧いてきました。
名前はK君と教えてもらいました。以前はコンピュターのソフト会社に勤務していて、昼
も夜も朝も関係ない生活をしていて、ここに勤務を始めて1年半が経つそうです。彼がギャ
ラリーを案内してくれました。その日は「縫いプロジェクト」という縫い物の展示です。
その空間に入った途端圧倒されてしまいました!
言葉ではあらわせない位の存在感のある作品達です。
K君が教えてくれました。「障害者の施設と言うと、袋貼り等の単純作業を行って僅かなお金
を貰う施設が多いようですが、この施設は陶芸・縫い物・絵画・料理等の色々なモノの中から
自分の興味のあるものを選んで、何かを自分で作りだす事でお給料を貰う事が出来るのです
ヨ。」素晴らしい刺繍の作品の前で質問しました。
「これは誰かが教えた縫い方なの?」
「いいえ。針の使い方等の基本的な事しか教えないそうです。ここにあるモノは全部自分で
考えたモノなのですよ。例えばこっちの作品は何に見えますか?答えはサーフボードです。
この方は今のマイブームが流線型だそうで、ずーとビート板を脇に抱えているんです(笑) 作
品が出来上がると嬉しそうに見せに来てくれるんです。毎回今度はどんなモノが出来るのか
ワクワクしてしまいます」
ギャラリーを出たところに畳2枚程の大きな絵が立てかけられていました。これも息を呑む
ような作品です。僕は「ふっ、、」と絵の裏側にまわってみました。そこに文字がびっしり
と書き込まれていたのです。しばらくの間動く事が出来ませんでした。
そこに書かれていたのは展覧会の時の日記でした。
「2010年2月7日日曜日天気(くもり)本当によかった。おきゃくさんがきて本当によかった。
2010年2月14日日曜日天気(くもり)おきゃくさんが2人きました。ともだちの人と食事を
しました。、、、」ずっと続いています。
そこに書かれていた言葉は感謝の言葉だらけでした。
僕も日々感謝の気持ちは忘れていないつもりですが、ここまで純粋に感謝しているだろうか?
何だかわからないのですが泣きそうになってしまいました。
K君とは「今度鹿児島に来たら色々案内しますよ!」「東京に来たら絶対に僕達のお店に寄っ
てね!」と固く約束してサヨナラしました。
「ですです」(そうです、そうです)が口癖のK君。
いろいろとありがとう!とても良い出会いの予感がしてます。
その後K君に教えてもらったスポットを駆け足で廻りました。
東シナ海です。
日本は島国なんだと改めて感じてしまいました。
20時にレンタカーを急いで返して、九州新幹線「さくら」に飛び乗り福岡に向かいます。
明日は長崎の波佐見へ向かいます。
日本のカッコイイを集めたお土産屋さん
katakana/カタカナから、探しモノの旅「九州編」1日目のお話でした。