カタカナのつくり手とはこび手「La+h/ラス」大谷敬司さんの手仕事 番外編
なんと今回、取材の最後に『ラス』ちゃんとお会いすることができました!
カタカナメンバーを優しく迎えいれてくれるラスちゃん。
実はブランド名はワンちゃんの『ラス』ちゃんから付けられています。
特別ブランドテーマやコンセプトを掲げている訳ではないのだそう。
「ひとつのテーマに固執してしまうと自由に表現ができなくなる気がして」と大谷さん。
はじめは織りを中心とした作品をつくられていたLa+hですが、
今ではプリントや刺繍などさまざまな染織技法をつかい作品を生み出しています。
昨年の4月で10周年を迎えられたLa+h。
色やテクスチャーを言葉で伝えてモノづくりをされてきた大谷さん。それはとても大変なことだと思います。
プリント工場、機織り工場の方々とお互いに意思疎通ができてモノが生まれるまでには何年もかかったのだそう。
工場へ実際に伺ったり、直接会って打ち合わせをされてきたことでLa+hが続いているのです。
作業スペースにはストックの生地やできあがった作品、裁断前のタグなどが並んでいました。
バッグに付いているタグは大谷さんがすべて手作業でカットされています。
「いわゆる織ネームって好きじゃなくて。これは箔押し屋さんにお願いをして一枚一枚押してもらっているんです」と
どこか手の仕事が見えるものでいたいと細かなところまで丁寧にものづくりをされています。
最後に、ものづくりに興味があるひとたちにメッセージを送るとするならば、と大谷さんへ質問をしました。
「ぶれないこと。何をやりたいかわからない人も、やりたいことがある人も。
とりあえず億劫にならないで思いついたらやってみる。
やってみて違うと思ったら方向転換をして、そうして続けていくと自ずとしっくりくるのがわかってくるし
人が人を呼んで繋がりも生まれてくるから。
あとは動く。わからなかったら色んなものを目にして探してみるとか。
とりあえず興味があるものからやってみる、やってみないとわからないことってたくさんあるから。」
そうゆっくりと、まっすぐに私たちに教えてくれました。
大谷さんの言葉はものづくりに関わらず、人生を送るうえでも大切なことのように思います。
カタカナも昨年で10周年、そしてお互いに11周年を迎えます。
こうしてLa+h大谷さんに出会えたことも“続けてきた”証なのかもしれません。
今回取材をさせていただいた場所は代々木上原、取材後に大谷さんが少し街を案内してくれました。
お洒落なカフェや雑貨屋さんが多く、何度も立ち止まりたくなってしまいます。
案内をしていただいたお店のひとつ、お弁当屋さんの『金兵衛』。
お昼前にも関わらず、すでに行列ができていました。
どうしても食べたくなった私たちは「これも取材のうち!」と言い聞かせ列に並びました。
こうして大谷さんに街を案内してもらうと、
取材場所となったカフェも、商店街にあるお弁当屋さんも、
この地にいるひとやお店からはブレずに「この地でお店をやる」という芯の強さを感じます。
「カチっとし過ぎている訳じゃないけど、キチンとした格好で外に出たくなるような街」と大谷さん。
そしてそんな代々木上原が好きだと語ります。
取材後に食べた金兵衛のお弁当は格別美味しく忘れられないものとなりました!