革と向き合い続ける場所。TOKYO LEATHER FACTORYを訪ねて

風が少しずつ冷たくなり、街路樹が緑から黄色に色づき始めた頃。
「TOKYO LEATHER FACTORY」さんが2024年に新しく構えた、
アトリエ兼ショールームを訪ねました。
場所は江東区・住吉。
駅を降りると、おだやかな住宅街が広がります。
しばらく歩くと、白く清潔感のある一軒が目に入りました。

扉を開けると、2階建ての建物はリノベーションされたようなたたずまい。
革を加工するための機械が並ぶ作業スペースと、
製品を手に取れるショールームが、分かれています。

この場所にアトリエ兼ショールームを構えた理由を、オーナーの加藤雅信さんに聞きました。
コロナ禍をきっかけに移転を考え、物件を探していたといいます。
江東区の隣・墨田区は国産豚革加工の一大生産地。
さらにその先の台東区・浅草には、革問屋が集まっています。
「自転車で回れる距離感」が、この場所を選んだ大きな理由のひとつ。
革づくりの土地の流れの中に、自然と身を置ける場所でした。

TOKYO LEATHER FACTORYは、
1948年創業の革タンナー「ティグレ」を母体に持つレザーアイテムブランド。
2018年よりブランドをスタートし、2021年には加藤さんが独立しました。
豚革を中心に、牛革や山羊革など、素材の企画・開発・生産を行ってきた経験を活かし、
現在は革の魅力を引き出したレザーアイテムを手がけています。
目指しているのは、「革のある豊かなくらし」。

ブランドを立ち上げた当初は、
サンプル制作を外部のパートナーに依頼していたそうですが、
アトリエにミシンを導入してからは、
職人に教わりながら、ご自身でも制作するようになったといいます。
印象的だったのは、作業中の加藤さんの姿。
真剣なまなざしの中に、どこか楽しそうな表情がありました。
もともと、なめしやシワ加工など、手作業の工程に携わってきた加藤さん。
「手を動かしていると、アイデアが浮かんでくる」と話します。

元々加藤さんは大学卒業後、別の道に進む予定だったそうです。
けれど、職人の高齢化が進んでいることもあり、
ティグレの代表である父から声がかかり、革の世界へ進むことになりました。
「タンナーの仕事には、言語化できない技術が数多くあります。20代の頃は、覚えることで必死でした」
「身につけたことを、出し切れないまま一生を終わってしまうのはもったいない」
そんな思いが、現在の素材開発や新しい挑戦につながっています。
これからは、プリーツ加工やシワ加工の新しい表現や、
防水レザーの開発にも力を入れていくそうです。

おだやかな笑顔が印象的な加藤さん。作業に向き合うその姿からは、
革と向き合い続けてきた時間の積み重ねが、自然と伝わってくるように感じました。
素材の開発から手がけているからこそ生まれる、革の表情や使い心地。
これからどんなかたちで、その魅力が届けられていくのか。楽しみにしています。

「TOKYO LEATHER FACTORY洗える革のバッグ展」
〈カタカナ自由が丘店〉1.30(金)~2.19( 木) 11 時-19 時 ※店休日 火曜日
〈オンラインストア・キナリノモール店〉1.24( 土)11 時~ 2.19( 木)
「洗って、使って、育てる」バッグ。
洗えるので汚れを気にせず、ガシガシと使いながら、
デニムのようにじっくりと経年変化を楽しむことができます。
美しく鮮やかなカラー、スエードならではの上品で
やわらかな雰囲気で、 春先のコーディネートにもぴったり。
自由が丘店では、カウレザーの洗えるバッグが初登場です。
ぜひ、お気に入りのバッグを見つけてくださいね。
