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週末絵本館 第94回「おつきさま こっちむいて」
先日、月が動いているのを見ました。
ある日の仕事終わり、バスに乗って帰ろうとバスターミナルでバスを待っていました。
そのバスターミナルは周りに高層マンションがたくさん。マンションの谷間みたいなところにあります。
バスの到着まで、あと10分。
「疲れたなぁ」と思いながら、ちょっと目線を上げると高層マンションのすぐ横、ちょうど真ん中くらいの高さに黄色い光。
マンションの1室の電気かなぁと思ったら、それはおつきさまでした。
「きょうは低めのおつきさまだなぁ」なんて思いながら、「早くバスこないかなぁ」と時間つぶしにスマホを見つつ、
もう一度なんとなく同じところを見上げてみると、まんまるだったおつきさまは少しだけマンションの後ろに。
じーっと見つめていると、動いているようには見えないのに、ちょっとだけ目を離してからもう一度目線を戻すと、
まんまるだったおつきさまは半分くらいになっていました。
バスの到着まで、あと7分
おつきさまの観察をすることに決めました。
半分以下になってしまったおつきさまは、じーっと見つめていてもどんどん小さくなっていくのがわかります。
夕陽が沈んでいくのは見たことがありますが、月が動いて目の前から消えていくのは初めて見た景色でした。
この絵本のように、おつきさまってずっとその場にいて、
なんなら追いかけてくるものと思っていたので、新しい発見でした。
秋はおつきさまが綺麗に見える季節。
この絵本の男の子のように、いろんなおつきさまを見ながら秋を感じたいなと思います。
つー
・タイトル 「おつきさま こっちむいて」
・作 片山令子/ぶん 片山健/え
・出版社 福音館書店
・プライス ¥990
絵と詩を持ち歩いてみませんか。
素敵な絵本を揃えてお待ちしてます。