Katakana-日本のかっこいいを集めたお土産屋さん

さがしモノの旅 香川・小豆島編 その2

#さがしモノの旅

張り子職人の田井さんと別れを告げて、次に向かったのは畳職人さんの所です。
「古式畳」と言うモノを作っている職人さんに会いにいきました。
畳は年々日本での生産量は減っているそうです。どこの家でもフローリングが床が主役ですよね。でもここ棟梁は全国のお寺から引っ張りだこ!中でも日本有数のお寺が多い街、京都。東寺や知恩院・西山本願寺など誰でも知っているお寺から「やっぱり棟梁でないとダメだ」とリクエストがくるそうです。作業場の2階の応接間に通されました。
立派な床の間があり、古式畳が並んでいます。畳の目利きが出来ない僕は、どこが良いのかは、口では説明できませんが本物の空気感は伝わってきます。畳自体を作る技術も凄いのですが、畳縁(畳の帯の部分)を縫い合わせる腕が一流なのです。ピン!と張り過ぎてもダメだし、緩過ぎてもダメ。ちょうどいい塩梅が肝心なのだそうです。素材は色々あるけれど、「やっぱり西陣織が一番良い」棟梁から発する言葉はとても心に沁みて来ます。


棟梁のお話が楽し過ぎて長居し過ぎました、、次は本日最後の訪問先へ急ぎます。


高松市内にあるセレクトショップ「IKUNAS・イクナス」さんです。
県の溝渕さんと山田さんからは「香川のモノを中心に集めたお店なのですヨ」とだけ言われ連れて来て頂きました。ちなみに「SANUKI」を逆さから読むと店名の「IKUNAS」!とても心地よい響きの店名です。
一歩店内に入り心地よさを感じ、その瞬間は何故か分かりませんでしたが、オーナーの久保さんとお話してすぐに理解出来ました。彼女は洋服に興味を持ち文化服装学院を卒業しスタイリストの道へ、そして洋服以外のデザインの道へ、今はデザイン活動と雑誌出版の仕事をしながら、もっと実際に表現の場を作りたいという思いから店舗を構えたそうです。洋服の業界出身という事で、僕達と同じ匂いを感じて居心地が良かったのかもしれません。セレクトも一捻りある選び方で、伝統工芸のモノにある、見えないバリアーと言うか
敷居の高さ、とっつき憎さを上手に和らげたセレクションとディスプレーなのです。伝統的なモノを日常に取り入れたいと言う思いは、僕達katakanaのお店の思想の根底に流れている大切な事の1つです。
もっともっと久保さんとお話がしたかったですが今度のお楽しみにとっておく事にします。
今後もIKUNASさんとは何かで繋がる様な気がします。今はまだ何かは分かりませんが。


久保さん!また会う日まで(笑)

※雑誌「IKUNAS」とIKUNASオリジナル「保多織りフキン」をただ今katakanaで
開催中の【お土産マルシェ 香川・小豆島の産品展】で販売しております。

次に向かったのは高松の中心街。日本で一番大きいアーケード街だそうです。

「空き店舗が最近多くなって来て、、、」と県の溝渕さんは車の中で言っていたので地方都市に良くある光景の商店街だろうな、、と思っていましたが、アーケードがメチャクチャ立派で、舗装も綺麗。アーケードの中心は巨大なドーム型の吹き抜けになっていまた。
残念ながら20時近くだったのでほとんどのお店が店じまいをしていましたが、賑わいを想像しながらウロウロしたのです。

その日の夜は県の溝渕さんと山田さんと一緒に一杯やりました!
「うどんも美味いけど骨付き鳥も美味いですよ~」と日中言われたのを思い出しました。
骨付き鳥の名店「一鶴」に向かいます。が!やはり大人気でお店の外まで並んでいる。
この店は次回のお楽しみ!ということで山田さんおススメのお店へ。


手で骨を握りしめ、「ガブッ!」これが正式ないただきき方です。
美味い!

次の日の朝は8:00に集合して保多織(ボタオリ)の会社に行きました。


早朝にも関わらず和やかな笑顔で僕達を迎えてくれたのは岩部保多織本舗の岩部社長。
ショールームの中は保多織の製品や反物がビッシリと積まれています。久し振りの洋服の生地にかこまれての商談にアパレル時代の記憶がムクムクと盛り上がってきた!最初岩部さんは一般的な保多織の話をしてくれましたが、生地の組織の事や糸の番手の事、どんな織機で織っているか?など僕の気になる事を質問し始めると「おっ、、こいつちょっとは分かっているな」と思ったらしく、マニアックな話をドンドンしてくれました。どうやら、僕の生地の触り方で「ピン!」と来たようです。
保多織は魅力的な織物です。生地に表情があり、この立体的な構造によって空気の層が出来、夏は涼しく冬は暖かい機能を兼ね備えています。久し振りにオリジナルの洋服を作りたくなってしまいました!今度は工場を案内してくれると社長さんと約束して、まだまだ
話足りない思いでしたが次の目的地に移動しました。

一子相伝の伝道者の岩部さん、奥には息子さんがいらっしゃいました
日本のモノ作りの凄さを垣間見ました。ありがとうございました!


【保多織】
1689年初代高松領主、松平頼重が京都の織物師の北川伊兵衛常吉氏を招いて製作
させたのが始まりです。優雅で肌触りが良くさらに丈夫である事から幕府への献
上品として使われていました。多年保つと言う意味から「保多織」と命名されたそ
うです。伊兵衛以降、6代200年にわたり一子相伝で技法が伝えられ、明治維新以
降は北川家の血縁にあたる、岩部家がその技法を受け継ぎ今にいたっています。

※IKUNASオリジナル「保多織りフキン」をただ今katakanaで開催中の
【お土産マルシェ 香川・小豆島の産品展】で販売しております。

 

次は張り子の伝統工芸士さんです。
香川の張り子と言えば「奉公さん」と「虎の張り子」が有名ですが、この張り子工房ウスイの臼井さんは、伝統的なモノも作りながら、臼井さんの想像の中で考えながら作る張り子を得意としています。伺った時は来年の干支の「ヘビ」作りの真っ最中でた。

臼井さんの作る干支のシリーズは男女のペアになっています。

僕は奥の姫だるまがとても気になります。

2人のお子さんは東京でアーティストとして活動されているそうです。優しい笑顔の臼井さん。

その後、石の名産地「庵治町」に向かいます。

石の民俗資料館に到着。建物が立派過ぎます。。
出迎えてくれたのは商工会議所の平田さん。色々と石の話を教えて頂きました。
庵治石(アジイシ)の歴史はとても古く平安時代から採掘をされていて、京都清水八幡宮の1339年に再建の際にこの庵治石が京都まで送り込まれたと記述に残っているとの事。正式な名称は「細粒黒雲母花崗岩」といいます。別名は「花崗岩のダイヤモンド」特徴はキメがとても細かく光沢と重量感があり、水晶と同じ硬度で非常に硬い為、細かい細工が可能で風化にも強い為、石碑や墓石に多く使われる石だそうです。


色々な石が展示されていましたが、庵治石は他の石と比べて明らかに重量感がある!平田
さん達はこの石を使って、石碑などの今まで使われていたモノ以外の商品を作ろうと職人
さんと日々商品開発をしています。色々なモノを見せて頂きましたが、正直にいうと販売す
るには難しいモノが多いです。技術は素晴らしいのは分かるのですが、一体誰が使うのだろ
う?素材を生かし、今の空気感に寄り添うモノ作りとは難しい事なのだと感じました。

その中でもあともう一歩の所まで来ているのがこれ!

1人用漬物石です!


建物を出ると右側に見えるのが「屋島」です。源平合戦で平家の敗北を決定的にした「屋
島の戦い」として有名な所です。大昔は文字通り海峡に隔たれ島でしたが、江戸時代から
の埋め立て事業によって、今では完全に陸続きになっています。
石の民俗資料館で気になるチラシを見つけました。


源氏と平家に分かれ、騎馬戦や綱引きをやるそうです。
こう言うイベントは真剣にやればやる程面白くなります!頑張ってくださいね~

市内に戻り、さぬき産業工芸館「サンクラッケ」に向かいます。
産業工芸館と聞くとお堅いイメージがありますが、分かりやすく言うと、香川の商品を集めたアンテナショップです。1階は食品、2階は食品以外。良くも悪くも「香川のお土産やさん」ここでは主に食品をセレクトしました。食品は「自分達で食べて納得しなければ絶対にお店には置かない」と言うスタンスのため、サンプルとしてあれもこれもとピックアップ。


その後ダッシュで今回2回目の「うどん県で昼うどん!」
このお店のおススメはカレーうどん。大変美味しく頂きました。

次は香川漆器の一和堂さんに向かいます。
告白します。僕は漆器が苦手です。勿論自分で使っているお椀は漆です。なぜ苦手かと言うと、どれが良いものでどれが良くないモノかの判断というか目利きが出来ないからです。以前アパレル時代に同じような経験があります。何が良いモノなのか突然分からなくなる瞬間がありました。そんな時、僕のお師匠さんが言いました「良いモノを沢山見なさい!」
そんな言葉を思い出しながら、素直な心で漆の器を見せて頂く事にしました。


漆の工程を教えて頂きました。



作業場も拝見!根気のいる作業です。

漆の器を見ているうちにある人の言葉をふっと思い出しました。
「河野くん。自分が好きだな!と思ったモノが良いモノなんだよ」今年の冬にさがしモノ
の旅で岐阜県の美濃に訪れた際に窯元の加藤さんに言われた言葉でした。

今回何となく好きだな!と思ったモノがこちらです。



なぜか菓子入れに惹かれました。それとお玉。


そしてスタッキング出来るグラス型の器。これは自分で使って見たいと思いました。

※気になった漆器達をただ今製作をお願いしています。katakanaで開催中の【お土産マルシェ 香川・小豆島の産品展】に間に合うと良いのですが!

次は香川県本島の最後の訪問先です。
讃岐かがり手まりの伝統工芸士、荒木さんに会いに行きます。実は1年位前、この讃岐かがり手まりに出合っていました。場所は表参道ヒルズ!全国の職人さんを集めたワークショップで一目惚れをしたのがこの手まりです。その場で名刺交換をさせて頂き「僕達のお店でこの手まりを置かせて頂く事は出来ますか?」と尋ねると「うれしいのですが、手作業のモノなので数量が多く出来ないので今は難しいのです」「、、、、そうですか」と残念だったのを覚えています。今回荒木さんの工房にお伺い出来ることは不思議な縁で繋がっているのかな?とワクワクです。出迎えてくてた荒木さんは優しい笑顔でゆっくりと言葉を選びながら丁寧にお話をしてくれました。建築設計士の旦那さまと事務所をシェアしている仕事場をみて、ビックリしました!窓側に何個も何個も大きな鍋が並んでいます。ラーメン屋さんのスープ鍋を少し小さくした位の鍋です。荒木さんは「ここで手まりに使う糸を染めているのですよ」しかも自然の植物の染料をつかっているそうです。僕は糸を自分達で染めているとはまったく想像していなかったので「これは半端ないモノ作りへの思いがあるな!」と心の中で感じていました。その後も手まりの柄の事や刺繍のサシ方などを教えて頂いたのです。もっとお話をしたかったのですが、「河野さん、、そろそろ次の予定が、、」の県の方からの言葉に残念ながら事務所をあとにしたのです。


隣の部屋には綿の糸が棚一面にびっしり!


手前が荒木さん。お伺いした翌日荒木さん達はkatakana自由が丘店に
立ち寄って頂きました!ありがとうございます。


染めあがった綿の糸。本当にきれいです。

ここで愕然としました!手まりの糸は写真を撮ったのに、肝心な手まりの
写真を撮るのを忘れました、、、不覚!

讃岐かがり手まりの詳しい事はこちらで見て下さい。
讃岐かがり手まり保存会

※讃岐かがり手まりはただ今荒木さんと商談中です。katakanaで開催中の【お土産マルシェ 香川・小豆島の産品展】に間に合わないかもしれませんが、いずれ僕達のお店に並ぶ日を待っていて下さいね。

さて、この後はいよいよ念願の小豆島に渡ります。
ここで県の溝渕さんとお別れです。本当にお忙しい中ありがとうございました!
引き続き今日の夕方まで山田さんが案内してくれます。


昨晩、発覚したのですが、溝渕さん、山田さん、僕は同じ申年の同学年でした!

次はいよいよ小豆島!素敵な出会いと美味いモノが僕を待ちかまえてくれているはずです。
そうだよね!?井上くん!

日本のカッコイイを集めたお土産屋
katakana/カタカナからのお知らせでした。