カタカナのつくり手とはこび手「SOUTHERN FiELD iNDUSTRiES」No.2
ものづくりの現場を見させていただいた後、
アトリエの隣にあるご自宅へ移り岡田さんご夫妻のお話を伺いました。
まずSOUTHERN FiELD iNDUSTRiES(以下SFI)の由来を尋ねると、
岡田さんも働いていたお父様の工場が埼玉県富士見市の南畑にあったことから、
土地の名前にちなんで “南の畑の工場”と名付けられたそう。
お父さまの仕事である競走馬向けの馬装品製作工場に十数年勤め、
そこで手作りの大切さと素晴らしさを学んでいた岡田さん。
しかしある時、馬具市場が海外に移され、やむを得なく工場を畳むことに。
もともと引き受けていたお客様からの仕事をこなしながら、
乗馬クラブや牧場で馬具の修理や必要なものを作っていたのがブランドのはじまりでした。
その後、乗馬の競技会出店をきっかけに、乗馬ブーツを入れる変わった形のバッグ、
鞍を入れるケースやポーチを作り、注目を集めるように。
「馬に関連しない人でも使えるものを作ったらいいのでは」と
日常でも使いやすいものの製作を本格的にスタートしました。
研究熱心な岡田さんは、試行錯誤を繰り返し、丁寧に丁寧に納得のいく形を作ってきたそうです。
他にはない形を生み出し続けるSFI、実は特にブランドコンセプトはなく、
お二人が今まで見てきたものや感じたものがデザインに現れているそう。
自分たちらしいもの、自分たちにしかできないものをつくりたいという思いで、
バックひとつに対しても相当な数を作って改良する努力が、SFIらしさを生み出しているようです。
ショルダーバックは恵子さんのアイデアから生まれた作品。
今でも作るのが大変な形だそうですが、当時は「それは出来ないかも」と思うほどに難しかったそう。
何とかして形にしたいと試行錯誤を繰り返して完成したのが、唯一無二のこのショルダーバック。
今では作業を二人でされていますが、恵子さんは元々看護師でその頃は休日にお手伝いをされていたそうです。
革はもちろんキャンバス地も一度針を落とすと穴が開いてしまうため一発勝負。
どのように針を進めるか、カーブをつけるかなど今でも日々勉強とお話される程とっても難しい作業です。
そんなSFIの革製品は「使うことが一番のメンテナンス」と岡田さんのカードケースを見せてくださいました。
艶とハリがありカッコよく経年変化をしています。
使わないと革はボロボロになっていく、帆布のバックも形が崩れてしまうので、気兼ねなく毎日でも使うこと。
また使った後はちゃんと掛けておくことが長く使えるポイントです。
最後にSFIのこれからを伺いました。
「常に作りたいものがあるのでそれを少しずつ形にしていきたい」と岡田さん。
枠にとらわれず日々思いついたアイデアをカタチにしていく岡田さんご夫妻。
今回のイベントでは新作のバックも受注でお求めいただけますよ。
世代や性別、年齢を問わず使えるデザイン、
丈夫で上品な作品たちは経年変化を伴いながら私たちに長くやさしく寄り添ってくれます。
それは素材にこだわり、手間を惜しまず、何度も試行錯誤を繰り返してできた作品だから。
ぜひ作品の凛とした姿を見て、そして革の質感や帆布の手触りを感じてみてくださいね。
岡田さん本当にありがとうございました。
SOUTHERN FiELD iNDUSTRiES POPUP STORE
日時:2021年1月16日(土)⁻1月29日(金)
場所:カタカナ自由が丘店
オンラインストアでも展開予定です。→◎
日本のカッコイイを集めたお土産屋さん
カタカナ自由が丘店からのお知らせでした。