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さがしモノの旅 九州 波佐見・久留米編 その④アサヒシューズ

#さがしモノの旅


さがしモノの旅 九州 波佐見・久留米編 その4

いよいよ「さがしモノの旅 九州 波佐見・久留米編」の最終日。

今回の日程の最大の目的地の久留米のアサヒシューズさんを訪れました。
アサヒシューズさんとの出会いは1年ほど前、営業の方がお店に訪ねてくださり、商談したのが最初です。
そのときは最新作をいろいろとご紹介頂きましたが、僕の関心は、その会社のド定番のモノ。
できれば、社員の方からも忘れられているような存在のモノがいい。

社内では当たり前すぎて見過ごされてしまうのでしょうが、
歴史のある会社には、カタカナ的に原石状態のお宝アイテムがザクザクあると思っているのです。

「アサヒシューズって、上履きを作っている会社だよな、、」。
「月星(現ムーンスター)」さんとか、「アキレス」さんとかと何となく似たイメージがありました。

源流をたどると、1892年に石橋徳次郎氏が久留米市で足袋の製造を開始したのが始まりだそうです。なんと125年前!
その後、地下足袋を開発したり、当時は会社の一部門だったタイヤ部によって純国産タイヤ第一号を世に出したり。
そしてそのタイヤ部門がのちのブリジストンに! 世界のブリジストンがもともとアサヒシューズの一部門だったとは驚きです。
そう教えて頂き、創業者である石橋さんのお名前に納得。(ブリッジ↔ストーン)


実は、工場見学に行くずいぶん前に僕は「原石」を見つけていました。
その中の1つがこのクーガーラリーと呼ばれるスニーカー。
70年以上前から現在も作り続けられていて、上履きとして採用している学校も多い靴です。

まずはサンプルを送ってもらい、試し履きをして製品をチェック!
履いてみるとクッションなしのぺったんこ! 流行りのふかふかN系ともオーソドックスなS系ともまるで違う。
そして、僕のワードローブのほとんどを占めるNO CONTOROL AIRに不思議とコーディネートしやすい。

履いていて気がつきました「これ、レペットのダンスシューズに似ている!」。
以前僕は、何足も履きつぶしていたほどのレペットマニアでした。
それからです。僕がアサヒシューズさんを気になりだしたのは。
昨年の9月に自由が丘店でスニーカーマルシェを開催して、
このクーガーラリーはスニーカーマニアから一躍注目を集めたのでした。

そしてそのとき、営業の高橋さんに「いつか工場見学に来てください!」と言われていたのでした。


会社に到着してビックリ!  デカい! 立派!!
普段はなかなかない体験なので、ついキョロキョロと見まわしてしまいました。

日本最古級の手動エレベータに乗り、最上階までいくとそこは別世界。
来賓室に通されると中はクラシックモダンなレトロな品のある空間が!
もちろんソファーには真っ白なソファーカバーが!まるで華麗なる一族の世界。。


久留米本社の方に迎えていただき、スニーカーの工場見学がスタート!
ちなみに工場に立ち入るときは、必ず指定の帽子をかぶります。


工場に入ると、当たり前ですが工場感満点。
でも、そこは僕が思っていたスニーカー工場とは違いました。
イメージはスニーカーをみんなで作っている光景が目に飛び込んで来るのかと、、
スニーカー工場ってゴムから作るのですね!?
日本の誇る工業製品って感じです。


天然ゴムや石油系のゴムなど色々な産地からゴムの原料を取り寄せ、それぞれにあった配合のゴムを作ります。

配合の終わったゴムをローラーでシート状にしていきます。


シート状にした後、更に棒状になり、これ1個が1足のスニーカーになります。
触ったらまだ暖かかった!
この場では紹介しきれないくらい複雑な製造工程がゴムにあるのだと教えて頂きました。


続いてソールを作る部門です。
ん!?この方の背中見たことがある!と思った方はかなりのアサヒシューズマニアです。
以前NHKの番組「ippin/イッピン」で取材されたときに、ソール作りの名人と紹介された方です。


いっけん簡単そうに見えますが、職人技を極めているからそう見えるだけ。その域までいくのが修行です。


名人の奥の作業台で腕を磨く若者の姿が。


帽子の色でその人のキャリアと職務が分かるそうです。
この帽子の色は入社1年目の新入社員さん。近くで作業する先輩が、見るでもなく気にかけている様子に微笑ましくなりました。

<シークレットゾーンへ>
このあと、バルカナイズ製法や、アサヒシューズさんの屋台骨のシリーズ「メディカルウォーク」の製造現場を見ましたが、
残念ながら写真撮影NG、、。この製造の心臓部分ではビックリするくらい、多くの若者が汗をかき労働をしていました。
先輩が後輩を気遣い、後輩は目の前の事を懸命に緊張感をもっておこなっていく。
良い職場だと心から思いました。


上層階の縫製部門。
ミシンがダーッと並んでいる様子は、アパレル時代によく訪れた縫製工場を思い出します。


試作品が沢山ありました!まるで宝もの探しの様です。


商品の完成が近づいて来ました。
アッパーとソールをつける作業はスピード感が大事なようで、テキパキと早いスピードでドンドン次の工程に送り出して行きます。


若者とベテラン。良い感じのMIXです。


工場見学の最後のルートは、インジェクションと呼ばれる製法を見ました。
これは他の部署で見たモノとは全く違います。
なにが一番違うかというと、「人がいない」んです。全自動・24時間体制で製品を作り続けるそうです。
まるでSFの世界。THE 工業製品です。どちらがいい悪いではなく、これもニッポンのモノつくりだと思いました。


スタートから2時間位をかけての工場見学が終わりました。
解説をして頂いたお二人の背中がやけにカッコ良く見えます。
益子さんありがとうございました。


普段何気なく履いているスニーカーが、こんなにも多くの人によって生み出されるとは!
工場というとコンクリートの建物の中に機械が整然と並んでいるイメージがありますが、
この会社は、あきらかに“人”が主役でした。
スニーカーという皆の思いをかたちにするため、人が機械を開発し、人が使いこなしていく。
そんなことを感じた工場見学でした。

その後、会議室で役員の方や開発のトップの方を交えてのディスカッション。
工場を見させてもらい、とても勉強になったことをお伝えした上で、河野の思うところをお話しさせて頂きました。
話が盛り上がったり、僕の発言に、シーン、、、と場が沈黙したり。
その場に同席していたのがデザイナーの横田さん30歳前後の若い男性です。
最初は伏し目がちに座っていましたが、僕の話が進んでくるにしたがってドンドン目がキラキラと輝きだしました。
なんとなくの勘ですが、彼のような人たちがこの会社の何度目かの幕を開ける力になるのではないか思いました。

工場の出入り口にポスターが貼ってありました。
「一人夢はただの夢、皆で見る夢は実現できる」
こころに刻んでおこうと思いました。

【お知らせが2つ】


① Asahi POP UP STORE
アサヒシューズがトコトンスニーカーと向き合って開発したシリーズ「Asahi」。
Web上ではいろいろ噂になっているこの商品の展示販売会を開催中です。
Asahiシリーズの詳しいことはこちら → ◎◎◎◎
場所 カタカナ自由が丘店 会期 5月13日〜5月26日


② レトロスニーカーマルシェ
先日開催したマルシェが大好評だった為、急きょ再開催!!
河野が見つけた「原石のお宝」クーガーラリーもサイズを揃えてお待ちしております。
場所 カタカナ自由が丘店 会期 5月26日〜5月28日

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katakana/カタカナからのお知らせでした。