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あちらべの話

#コラム


昨年11月から毎月、自由が丘店の軒先で開催していた愛媛・大三島の蜜柑のマルシェ「しまど
蜜柑市」。今日で今シーズン最後の開催となりました。
これまでは2月から4月までの3回開催でしたが、今季は11月から4月までの6回開催。
きっかけは、河野が「蜜柑市」の運営メンバーと一緒に「探しモノの旅」で大三島を訪れ、
収穫体験をしたことでした。それだけにこの半年間には思い入れがたくさん詰まっていて、
いよいよ終わりを迎えてみると、今までになかったやり切った感と同時に、一抹の寂しさがあります。
そして、この「蜜柑市」が発端のひとつになった「大四国展」が終わって、もうすぐ1ヶ月が経とう
としています。
今日は、大四国展でも蜜柑市でも中心になって動いてくれた、「あちらべ」の話を少しします。
「あちらべ」は、もともと設計事務所にいた赤羽くんと、デザイン事務所でデザイナーをしてい
た宇田くんの二人が設立したデザインチームです。

この二人の仕事を最初に見たのは、自由が丘店で初めて「蜜柑市」を開催したときでした。

徹夜で作ったという什器と、蜜柑農家さんが昔使っていたという年季の入った蜜柑箱、そして思わず
見入ってしまうポスターとフライヤー類。予算を沢山かけなくても、気持ちを込めて丁寧な仕事をすると、
こんなにも素敵なコトが生まれるのだと感動しました。
そして何より主役となるの蜜柑の魅力が最大限に引き出されていて、
「あぁ! 蜜柑たちも幸せだろうな」と嬉しくなったのを覚えています。

そんな光景を見て、「あちらべ」と一緒に四国のイベントを開催したいと思うようになりました。
好都合なことに、「大四国展」のもう一人の立役者・井上くんと彼らは親友だったのです。

ところが「大四国展」のプロジェクトが立ち上がり、彼らと打ち合わせを始めて、僕はビックリ
しました。とてつもなく長い……、時間がかかるのです。普通は1時間もあればある程度のこと
は話し合いが進みます。が、2時間で「今日は早く進んだね」。3時間で「今日はまずまず話し合
えたね」と言った感じ。そうやって「あちらべと打ち合わせしてくるね!」と言ったきりなかなか
戻ってこない僕を、お店のスタッフは「絶対余計なことをダラダラしゃべっているのだろう」と
怒っていたそうです。あるときそのスタッフを同席させたところ、いつも通りロング打ち合わせに
なりました。その間、重要な判断をするたびに長い沈黙が何度も。打ち合わせ終了後、
「こんなにも私たちのイベントに一生懸命になってくれているとは……」。
そのスタッフは感動して、ポツリとこう言ったのでした。

昨今、「世の中スピードが大事」といわれます。いつまでもグズグズ考えているよりも、早く行
動して早く失敗した方が良い。本屋さんにはそんなビジネス書がたくさん並んでいます。僕は小
さいころから「早くしなさい!」と言われ続けてきました。頭では分かっているけれど、なかな
かできない。いまでも妻から何かにつけ「早くしなさい」と言われています(笑)。でも、いつ
からか仕事で重要な決断をするとき、スピードを優先するより「納得」を優先するようになりま
した。「遅いほうがうまくいく」という経験を重ねたからです。

人よりも早く決められない分、人より長く考える。

この方法の良し悪しは後で結論が出ると思いますが、いまはこんな歩み方が合っているのではな
いかと思っています。
「あちらべ」の二人を見ていると、そんな自分と重なって「器用な生き方では無いけどがんばろう
ね!」と声をかけたくなるのです。
早くなくてもいいから納得する道を進んでいきたい。きっとその先にしか素敵な笑顔はないはず
だから。

今季の「蜜柑市」が終わり、「大四国展」のイベントもこれでいったん幕を下ろします。
この夏はひょっとすると、「蜜柑ジューススタンド」が期間限定で出現するかもしれません。
「大四国展」は、この先どんなペースで開催するか、これから決めていきます。じっくり、納得
いくまで考えて。
いま唯一お約束できることは、「必ずまたお会いする」ということ!
楽しみにしていてくださいネ。

最後に、しまどの松本さん、村上玲子さん本当にありがとうございました! これからもよろしく
お願い致します。四国の皆さん、関係者の方々! この場をお借りしてお礼申し上げます。
ありがとうございました!

katakana 河野純一

日本のカッコイイを集めたお土産屋
katakana/カタカナからのお知らせでした。