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【つくり手訪問の旅】カタカナ社員研修 (③福岡 藍染絣工房・山村編)

#カタカナのつくり手とはこび手

九州の筑後地方・織物の産地を2日間で巡るカタカナ初の社員研修、
次に向かったのは坂田織物さんとほど近い『藍染絣工房・山村さん』です!

正藍染という昔ながらの方法で藍染を行い、手織りで久留米絣の生地を仕立てる藍染絣の工房さん。
4代目の山村健さんと5代目の山村研介さんが、
伝統的な方法を大切にされながら藍甕(あいがめ)を建て続けています。

入り口には春らしい切り枝と蕗のとう、
5代目 研介さんが私たちを迎えてくれました。

そしてその奥には水通しを終えた久留米絣の生地がかけられ、
ふわりとはためいています。


「こうやって天日干しをするんです。
白い部分はますます白く、藍色の部分はさらに藍らしくなるんです。」

日に照らされてとても美しい絣の生地、
でもこんなに日に当たって色が変わらないのか心配になります。

「色が変わる理由は灰汁が残っているからなんです。
こうやって天日に当てると灰汁が焼け焦げるので、ほとんど色は変わらないんです。」
と研介さん。

とは言え蛍光灯などの光は変色してしまうので日光に当てることが大切なのだそう。
自然のちからってすごい…

そしてその奥には藍甕が並ぶ工房が。
道具が整えられた工房に足を踏み入れると、凛とした空気が伝わり自然と背筋が伸びます。

藍甕は全部で12口あり、
それぞれ濃さの違う藍液が入っています。

正藍染はかんたんにいうと、
藍の葉を発酵・乾燥させた『すくも』と水を入れて、発酵をさせた染液で染色を行います。

藍甕は生きているため、日々様子をみながら栄養を与え保温をします。

括ったカセを浸し、糸を絞り、藍を糸に叩きこむ…これを多い時で50回以上染め重ねていきます。

「糸の状態でしっかり染るので、布で染める時よりも藍が定着して、使い込むほどによりくっきりと鮮やかになっていくんです。」と研介さん。

染められたカセはまた天日干しに、
その後やっと機織りへと進んでいきます。

機織り機は足踏みのもので、
空気も一緒に織り込むようにゆっくりと確実に織られていきます。

湿度によって糸が伸び縮みしテンションが変わってくるため、調整しながら仕上げていきます。

「中でゆっくり絣をみてください」と
これまた藍が美しい客間で生地をたくさんご紹介いただきました。

△藍に囲まれお茶をいただく。胸もお腹もいっぱいになりました。

括り、染色、機織り、仕立てと全てを人の手で
自然に逆らわずものづくりをする。

日々の慌しい生活のなかで忘れている大切なことを、
思い出させていただいたような気がします。

藍染絣工房・山村さん、ご家族の皆さんありがとうございました!(書き手:野田)

▼次は『うなぎの寝床』さんへ!▼