Katakana-日本のかっこいいを集めたお土産屋さん

「風を音に変える」篠原まるよし風鈴が届ける江戸風鈴。

#作家さんのこと

開催中の『チリンッと夏を感じる 涼やかな音色 江戸風鈴マルシェ』 。

夏にピッタリの涼し気な風鈴が届きました。
その繊細な絵付けに思わずうっとりしてしまいます。

どのように風鈴をつくられているのか、手づくりならではの魅力など
昨年、篠原まるよし風鈴さんにお邪魔してお話を伺いました。

夏の風物詩の一つ、風鈴。

新御徒町駅すぐの佐竹商店街にある、篠原まるよし風鈴さんを訪れました。

篠原まるよし風鈴さんは、江戸時代から続く製法で風鈴を丁寧に一つひとつ職人が手づくりしています。

 

一つひとつ手作りだからこそ大きさも厚さも違い、音色も個性があります。

夏になると聴きたくなる「チリン」というあの音色。

そのうつくしい音色がどのように作られているのか、篠原まるよし風鈴の篠原 通宏さんに教えていただきました。

 

― まず、江戸風鈴について教えてください。

「江戸風鈴とは、江戸時代から伝わる技術を受け継いで制作しているガラス製の風鈴のことをいいます。

『江戸風鈴』という名称は、この道の第一人者であり祖父の篠原儀治(しのはら よしはる)が命名しました。ブランド名として儀治の承諾を受けた一門だけが使うことができ、日本には二件しか江戸風鈴の制作を行っていません。篠原まるよし風鈴はそのうちの一つということになります。」

 

― 日本に二件しかないとは知りませんでした。「篠原まるよし風鈴」はこれまでどんな道をたどって風鈴の制作を続けてこられたのでしょうか。

「篠原まるよし風鈴の元祖は、はじめは風鈴だけでないガラスを中心とした商売をおこなっていました。ガラスで作られた風鈴は昔から夏の風物詩として、家庭でも親しまれる存在でした。
しかし、戦争時代を経て、家屋の形が平屋からマンションやアパートに変わり、音の鳴る風鈴の需要は下がってしまいます。

けれど、そんなときでも通宏の祖父・儀治が、『浅草のほおずき市』などを中心に問屋さんに風鈴を売ることに尽力をしたり、父・正義が中学生ごろからお店のために働くなど家族一丸となって、どんな逆境でも風鈴づくりをあきらめなかった祖父や父達のおかげで今があります。」

 

― 時代の変化の中でも変わらずある江戸風鈴にはそんなエピソードがあったのですね。江戸風鈴は、他のガラス風鈴とはどのようなちがいがありますか。

「江戸風鈴のうつくしい音色には、三つの特徴があります。

一つ目は、「宙吹き(ちゅうぶき)」という型を使わずに空中でガラスを膨らませながら形を作る技法。
二つ目は、風鈴の音がやさしい音色になるようギザギザに仕上げられた鳴り口。
三つ目は、絵を内側から手で描いているので、ガラスの艶がいかされ見た目に美しいところです。」

 

― シンプルな形ですが、職人の技がたくさん詰まっていますね。江戸風鈴がどのように作られるか教えてください。

「まず、『宙吹き』という型を使わない技法で風鈴の形を作っていきます。下に小さい玉(口玉)をつくり少し膨らませた後、本体部分を巻き付けます。

本体を膨らませたときに針金で糸を通す穴をあけてさらに膨らませていくのですが、この工程が一番難しいです。厚さを均等に形も美しくできなければ音色が響いてくれません。

ここでいい音が鳴るか、決まるのです。

型を使わない分、ガラスが固まっていく時間との闘いでもあるので、テンポ感もとても大切になってきます。

 

口玉を作れるまでに3年、本体を作りいい音を鳴らせるまでに7年かかるので、一人で風鈴の形を作るのに10年は必要です。

ガラスの厚さや口の形によって、響きのないコンコンというような音になってしまうので、風鈴の要の部分ですね。」

 

「次に、口玉を切り落として砥石で削り鳴り口を整えていきます。削れた口の部分はギザギザになっているので、ここにガラスの管が擦れると心地よい音が響いてくれます。」

「最後に内側から絵付けをするということも江戸風鈴の特徴です。

内側から描くので絵も文字も反転します。初めの頃は真っすぐな線を描くだけでも時間がかかりました。」

 

― 絵付けのポイントを教えてください。

「一つの風鈴をつくるのに、いろいろな筆を使って絵を描いていきます。

たとえば、横刷毛という歯ブラシのような筆を使う際はムラが出ないようにする点がポイントになります。これでグラデーションをつけたりもするのですが、多くの作品に使う技法です。」

 

「今度は、細い筆を使って花火を描いてみますね。簡単そうに見えますが、線を真っすぐ描くだけでもはじめは曲がってしまうんです。」

「他にも曲線を描いたり、色を重ねたり、細い筆でグラデーションをつけるなど様々な技法があります。」

 

― いろいろな技法が組み合わさってまた新たに技法が生まれたりする。デザインのイメージに合わせて試行錯誤するのも楽しそうです。
特に思い入れのある風鈴はありますか。

「一番思い入れのあるのは、『お魚の楽園』ですね。実はこの風鈴は元々体験スペースに絵柄の見本として置いてあったものです。そしたらお客様からの反応がよくて、商品として作ったものなんですよ。

絵付けに1週間もかかっています。私自身も『ダイビングしたいなあ』と想像しながら楽しんで描いたので、見ているだけで海の中にいるような気持になってもらえるかなと思います。」

 

― ずっと眺めていたくなるくらい細かくてたのしいデザインですね!デザインもご自身で考えているのでしょうか。

「はい、自分の描きたいものを描いています。私のデザインには鳥と花のモチーフが多いです。伝統的な意味もありながらも飾っていて自然を感じられるような柄にしたり、明治時代の画家の作品を参考にしてデザインを考えます。

コロナ禍をきっかけに家でもよりくつろいでもらえるように自然をモチーフに考えることが増えました。暑い日に江戸風鈴で涼んでもらえたらうれしいです。」

 

― 篠原さんありがとうございました!

 

『チリンッと夏を感じる 涼やかな音色 江戸風鈴マルシェ』オンラインページはこちらをクリック!