週末絵本館 第99回「もういいかい」
週末絵本館 第99回「もういいかい」
この絵本を読んで、小さい頃を思い出しました。
近所に小さい神社があって、その隅の椿の木の裏側に子どもがしゃかんで入れるくらいの“木のトンネル”がぽっかり空いていて、そこを秘密基地みたいにしていたこと。
おばあちゃんの家の近くの公園の桜がきれいだったこと。
[ホトケノザ]の名前の由来を父から教えてもらい、もっとホトケノザのことが好きになり、
他の植物の名前の由来にも興味が湧いて“ポケット野草図鑑”を持ち歩き、道端に咲いている小さな花の名前を調べたこと。
そしてもうひとつ思い出したのは、保育園に勤めていた時に子どもたちとした“かくれんぼ”。
春、少し遠出をして大きな公園に行きました。背負っていたリュックをひとつの場所にまとめて置いたら、かくれんぼスタート。
「もーいーかーい!」「まーだだよー」「もーいーよー!」
次々に“見つけて、見つかって”としていく中、ひとりどうしても見つからない男の子がいました。
本当になかなか見つけられず。
もう“鬼が見つける”というルールは関係なく、みんなでその子ひとりを探すことに。
「いたーーー!!」
その子がいたのは、みんなのリュックを置いている場所のすぐ横。
体を小さく丸めて顔と頭を手で隠してリュックに擬態してじーっと隠れていたのでした。
少し離れたところから見ると本当にリュックのようで、みんななかなか見つけられず。
見つけたときにはみんなで大笑い。
その男の子はちょっと得意げな顔をしていました。
わたしのこの文章能力では、この時の感動とおもしろさを伝えるのが難しく、もどかしくて残念なのですが、私の人生のなかのNo. 1かくれんぼです!
今でもこのかくれんぼを思い出しては楽しい気分になっています。
毎年、この季節は「おめでとう!」がたくさんですが、特にこの春は私の周りには保育園を卒園して小学生になる子、小学校を卒業して中学生になる子、そして中学校を卒業して高校生になる子たちがいて、いつも以上にたくさん「おめでとう!」を言った春となりました。
春はドキドキもする季節ですが、新しい環境でみんなが楽しく過ごしていればいいなと思います。
つー
・タイトル 「もういいかい」
・作 中野 真典
・出版社 BL出版
・プライス ¥1430
絵と詩を持ち歩いてみませんか。
素敵な絵本を揃えてお待ちしてます。