katakana – カタカナ(日本のカッコイイを集めたお土産屋さん)

日本のカッコイイを集めたお土産屋さん

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「カタカナのつくり手とはこび手~sonorとやさしい革~」第二回は、工場見学編【後編】です。

さっそく事務所から出て、工場に向かいます。
山口社長が、革が出来るまでの工程をゆっくりと分かりやすくお話してくれました。

工場に入って真っ先に目に飛び込んできたのが、積み重ねられた原皮。

「猟師さんが送ってくれたイノシシと鹿の原皮です。全国各地から送ってくれるのです。」

今まで、なめされた後の革しか見たことがなかった私にとって、衝撃的な光景でした。
まだ毛も残る皮は、生々しく、生きていた姿が想像できるほど迫力があります。

自分が普段何気なく使っている革製品は、生きていた動物の一部からいただいていることを改めて実感…

sonorさんで使用している豚革も皮を剝いだ状態で生産地から届きます。
その後、腐敗を防ぐために塩漬けをし、なめす前に洗いの工程に。

この洗いの作業が、実はとっても大変なのです。

真夏は外よりも熱く、真冬は凍えるような寒い中、塩漬けされ固まった100枚以上の皮を一枚ずつ、塩を叩いて落とし、ドラムと呼ばれる革の洗い機に入れていきます。
そこに、硫化ソーダ、コラーゲンの繊維をほぐす石灰を入れ回します。

そして、何度か水を変え、石灰を入れ、再び2時間ほど回した後、
さらに漬け込み、翌日ドラムの中を綺麗にしてから、今度は余分な石灰を取っていきます。

洗いの作業から鞣すまでは、1週間以上掛かるとのこと。

「いろいろな工程が、すぐ入れて出来る事ではなくて、熟成のような化学変化をさせなければなめしはできないのです。
1日1日違う工程で進んでいくので、作業の順番を1つでも間違えるとすべてが無駄になってしまいます」

全ての工程に、熟練された職人の技術と感覚、慎重で冷静の判断が必要不可欠なのです。

ひとつひとつの作業に真摯に向き合う姿に、山口産業さんのものづくりの情熱を感じます。

洗いが終わるとなめしと染色の工程。
この2つが染色用のドラムになります。右側から薄い色と中くらいの色用、奥が濃色用。

洗いのドラムも木でしたが、こちらも木!

なぜ木のドラムが良いのか?と思い聞いてみると、
「日本の気候には木の方が良いのです、保温性があって。」

ん?保温性??

25℃以上を保てないと薬品が反応しないので、木が温度をのがさないので革の加工には一番適しているそうです。

色鮮やかな染料には、植物系に限らず、ラピスラズリなどの鉱物が使われています。
鉱物から、染料が作られるとは!驚きです。

山口産業さんでは、もともと20色以上の染料を取り扱っていましたが、更に厳しい基準で選びなおし、
現在ではRoHS2指令(ローズ指令)に基づき、安全性を確保された12色の染料が使われています。

洗い、なめし、染色が終わった革が次は、どこにいくのかというと、2階の乾燥場です。
階段をあがると…

「わあー!」思わず声が出てしまうほど、圧巻な光景です。
昨日染めた革を乾燥させています。豚革が70枚ほど。
綺麗に干された豚革はとっても美しく、キラキラと輝いて見えました。

乾燥が終わると、革を丁寧に一枚ずつ、おろしていきます。

そして、乾燥を終えた革は、80〜100℃位でアイロンをかけて艶を出していきます。
(sonorさんの革はアイロンの工程はなく、乾燥で終わります)

ツヤツヤです!

小池さんがアイロン機械に、革を入れていき、佐々木さんが受け取り、革を掛けていきます。
お二人の息の合った作業は見事で、終始目を奪われました。

全ての工程を終えた革は、納品の際に問屋さんが検品します。
検品作業は大変時間が掛かるため、メーカーさんが直接来て、検品することはとても珍しいそうです。

園田さん、丁寧に一枚ずつ、確認していきます。

最後に、職人の佐々木さん、小池さんのお話をお伺いしました。
なんとお二人、元々は革の製品を作る会社にいたそうです。

なぜタンナーの道に進んだのかお聞きすると。
「かっこよく言うと、扱っている素材の真髄をもっと知りたくて。」

探求心に引き寄せられて製品から、革により近い位置で関わる道に進みます。

職人歴約17年の佐々木さん、16年の小池さん。

革の扱いや、同時進行で進んでいくそれぞれの工程、全てをやりこなすには10年かかったそうです。
あの息の合った作業は、10年以上を掛けて、身体に染み込んだ技術なのだと確信しました。

「革は傷がつくことが多いのですが、生き物なのでしょうがないものなんですよ。
天然のものと理解した上で使っていただきたいです」

革は、生きていた動物のものからいただいているのだから、傷があって当たり前。
そのことをきちんと理解していれば、傷のないものが綺麗で良いものだという価値観も変わってくるのでは。と思います。
そうすると、傷ひとつにも愛着がでてきませんか?

工場内のいろいろなところに貼ってある
「品質第一/Quality First」
この言葉がすべてを物語っています。

本当の「品質第一」を体感させていただきました。

「もともと持っている動物の良さを生かしたい」
山口産業さんの革への根源の想いが、届くと嬉しいです。

山口産業さんの山口さん、佐々木さん、小池さんありがとうございました!

◎山口産業さんでは、全国400箇所以上から駆除したイノシシや鹿の原皮が送られてきます。その革をなめして、猟師に返していく「マタギプロジェクト」を行っています。
詳しくはこちら→


【sonor やさしい革のバッグ展】
日時 11月28日(土)-12月11日(金)
場所 katakana/カタカナ自由が丘店

◎イベント詳細は、上画像をクリック!

【カタカナのつくり手とはこび手「sonorとやさしい革」ブログ一覧】
◎山口産業工場見学編 前編
◎山口産業工場見学編 後編
◎sonorアトリエ訪問編 前編 やさしい革からバッグができるまで
◎sonorアトリエ訪問編 後編 sonorの丁寧なものづくり